「信州信濃の新蕎麦よりも、あたしゃあなたのそばがいい」
ご存知、寅さんの口上として有名な台詞です(元は、江戸時代に作られたと言われる小諸地方の盆踊り唄だそうです)。
信州の魅力を皆様にPRする使命を背負った編集部としましても、さすがに「大事な恋人よりも信州蕎麦の方が魅力的ですよ!」なんてことは言いません。
あ、「大事な人と一緒に信州蕎麦を食べに来てほしいな。。。」とは思いますが(^_^;)
新蕎麦の季節まではもう少し待っていただく必要があるのですが、ここらでひとつ、きれいな蕎麦の花畑なんていかがでしょう。「ああ、白い可愛らしい花だよね」と思ったあなた!!正解でーす。今、信州のあちこちで、白いそばの花が満開。黄金色の田んぼとのコントラストがすばらしい見頃を迎えています。
しかし、蕎麦の花は白ばかりではありません。実は、赤いそばの花もあるんですよ!!今回は、そんな赤いそばの花が咲く上伊那郡箕輪町(みのわまち)に行ってきました。
里山の景観を彩るピンクの花畑
畑一面に咲くピンクの花。これが赤そばの花です。赤そばの里は、標高900mの箕輪町上古田金原地区にあり、4.2haの緩やかな傾斜地で赤そばが栽培されています。
編集部が取材に訪れたのは9月17日で、この時はおよそ五分咲きといったところでした。確かに上から見るとちょっと緑が多いですが、とてもきれいで驚きました。(訪れた人の中には、「いやー、満開だね〜」と感嘆している人もいたほど!)満開になればどれほどなんでしょうか。楽しみ〜(゚▽゚*)
箕輪町の赤そばの里では、平成9年から「中箕輪そば組合」が農地の遊休化防止のために、赤そばの耕作を始めました。現在赤そば畑を耕作・管理しているのは「古田の里赤そばの会」の皆さんです。
ヒマラヤからやってきた赤い花のそば
この赤そばの里に植えられているのは、「高嶺ルビー」という品種だそうです。信州大学の氏原暉男名誉教授が1987年にヒマラヤの標高3800mのところから赤い花の咲くそばを日本に持ち帰り、タカノ株式会社(宮田村)と共同で品種改良を行って作られた品種なのだとか。一般のそばよりも背丈が低く、痩せた土地でも栽培できるのですが、収量は3分の1程度と、反収(田畑1反=約10アール当たりの作物の収穫高)は激減してしまうため、主に景観作物・観賞用として利用されているそうです。
そば好きなら両方食べたい!
もちろん赤そばも食べることは可能で、なんでも一般のそばより野性味があり、コシが強いのが特徴なのだとか。そばファンならば、一度は食べてみたいと思いませんか?
実は、9月22日(土)から10月13日(土)まで、赤そばの花の見頃に合わせて赤そばの里への入り口付近に臨時のそば食堂「そば処 古田の里」がオープンし、1日20食限定で赤そばを使ったもりそばが提供されるとのこと!!(゚▽゚*)
※写真はイメージです
ほかに、そば好きに人気という地元産そば粉100%の普通のそばも用意されるのだとか。むー、どっちを食べようか悩んでしまいそう!同期間中は、農産物直売所もオープンしますよ。果物、野菜、新米、朝採りキノコ、そば饅頭やおやきといった加工品など、新鮮な地場産農作物や農産物加工品のお土産選びも楽しみですね!
また、赤そばを使ったそばは、中箕輪農事組合法人が運営する「そば処 留美庵(るびあん)」でも食べることができます。こちらも一日数十食限定という話ですので、お早めに。
出かける前にチェックしたい
箕輪町の赤そばの里、見頃は10月第1週頃になりそうとのこと。そばの花は長く咲いているので、10月中旬まで満開の花畑を見られる可能性が高いようです。 古田の里赤そばの会HPで最新情報が、さらに地元のテレビ局、伊那ケーブルテレビが赤そばの里をライブカメラでインターネット配信していますので、お出かけの際は参考にしてみてください。
赤そばの里周辺では、こんな秋の風景も見ることができました。
高嶺ルビーは、以下の場所でも見ることができます。
・御岳ロープウェイ
場所:木曽町三岳 御岳ロープウェイセンターハウス前
9月19日現在、満開との情報が。今週末は御岳の高嶺ルビーが見頃のようです。
・中川赤そば花まつり
場所:中川村片桐西原(JR飯田線「伊那田島駅」南側)
期間:開催中〜10月8日(月)
こちらは蓑輪町より1週間ほど早く見頃を迎えそうです。
〔アクセス〕
中央自動車道伊北インターチェンジから西へ車で10分ほど。駐車場から7分ほど歩くとそばの里にたどり着きます。案内看板も多いため迷わずたどりつけます。ただし、駐車場近くは道が細いのでご注意ください。
大きな地図で見る