新・信州暦 また麦わら帽子の夏が来ました

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16日午前に発生した「新潟県中越沖地震(地図は震源地)」は、震度6強を観測した長野県北部地域にも農業被害を広げ続けています。しかもその激震の直前、7月の台風としては観測史上最強といわれた台風4号によって、土砂崩れによりJR飯田線の一部が不通になり、また、辰野町や安曇野市で避難勧告が出されるなど、県の中南部を中心に大きな爪あとを残しました。

このように自然災害が相次いで起き、梅雨もまだ明けない長野県ですが、それでも自然のサイクルは巡り露地すいかの出荷が12日からはじまったほか、県内各地で早生(わせ)桃の出荷が開始されるなど、夏の到来を思わせる情報も届いてきています。

上高井郡高山村の蕨(わらび)温泉では「湯の里ユリまつり」が今週末の日曜日まで開催されています。カサブランカ、マルコポーロ、ソルボンヌ、アカプルコといったユリの品種が、1万2000本も植えられた会場のユリ園では、切り花や球根付きのユリの販売もおこなわれています。

JAちくまの坂城支所では、夏の風物詩のひとつのカブトムシを地元の農家が育て、支所を訪れた子どもたちに配りました。

県内各地のブドウ農家は、粒を揃える摘粒(てきりゅう)作業の真っ最中でしょう。JAグリーン長野では、モモの一種であるネクタリン「アームキング」の出荷が順調に行われています。今月中旬以降は「メイグランド」「サマークリスタル」などの品種が続き、ネクタリンは9月中旬まで出荷が行われます。

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abaremikoshi.jpg信州は夏祭りの季節です。18日、19日は木曽の御岳山の麓に広がる木曽町の旧三岳村で御嶽神社例大祭(わっしょいみたけ)がおこなわれます。豊作祈願と自然ヘの感謝をこめた村の鎮守・三岳村御嶽里宮神社の祭りで、さまざまな御輿が場内を練り歩きます。19日は、今年がはじまってから200日目の節目でもあります。 20日金曜日は「土用入」で、立秋の直前までが「土用」の期間で、暦でも酷暑の時期とされます。

21日は上伊那郡の中央部に位置する宮田村(みやだむら)で江戸時代から続く宮田村祇園祭宵祭りの日。神輿が町を練り歩き、夜には花火大会、そして夜半まで続くクライマックスは「あばれ神輿(写真・クリックで拡大)」と呼ばれて、津島神社境内の石段から幾度となく神輿を投げ落として破壊する不思議なエネルギーにあふれたお祭りです。その神輿の破片を屋根に上げると無病息災等の厄除けや商売繁盛などのご利益があるといわれ、その奇抜な風習から「天下の奇祭」と呼ばれます。1696年のこの日に、人間がはじめて月面に立ちました。「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとってはとてつもない一歩」というニール・アームストロング宇宙飛行士の言葉が記録されています。

22日は上弦の月。木曽福島の水無神社で祭礼みこしまくりがおこなわれます。前日の宮田村のあばれ御輿と並んで、このみこしまくりも、約400キロほどもある白木の御輿を縦に横にとゴロンゴロン転がしてしまいにはばらばらに壊してしまう迫力いっぱいの信州を代表する実に荒々しい奇祭です。この祭りの翌日23日は二十四節気のひとつ「大暑(たいしょ)」で、暦便覧には「暑気いたりつまりたるゆえんなれば也」と書かれ、最も暑い時期とされています。学校も夏休みに突入し、信州各地の山や森や高原は子どもたちの明るい声であふれる麦わら帽子の夏を迎えます。

indexarrow.gif 長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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