新信州暦 夜の水田は青みがかって幻想的に

late_summer_vege.jpg昨日の早朝の地震には驚きました。長野県は南側で静岡県とつながっていますからね。県南部と泰阜村では震度5弱が、おいしい食べ方編集部があります長野市でも、震度4が観測されました。今日は朝から「早くしないと夏が終わっちゃうよ」とせき立てるようにセミたちも鳴いています。先週末の7日にはやくも立秋を迎え、暦の上ではすでに「実りの秋」。今週末は月遅れのお盆です。これにあわせて夏休みをとっている人も多いのでしょうね。とはいえお盆が終われば夏も終わります。田畑では農作物がすくすくと育ち、「毎日キュウリとナスばっかりだよ〜」という声も、よく聞かれます。たくさん夏野菜が採れるこの時期の、ありがたい叫びです。

nightvision_Photo.jpg夜の7時ごろ、一面に広がった田んぼを眺めると、緑色の稲たちがうっすら青みがかかって、とても幻想的です。一昔前なら、ここに蛍が飛ぶ姿が見られたのかなぁ・・・。夏休み中の子どもたちよ、今こそ積極的に畑に出かけてお手伝いをするチャンスですよ。普段は自然にふれる機会がない子どもも、自然が近くにあってもなかなか農作業をする機会がない子どもも、自分の体で経験ができる時! 実った大きな野菜を収穫したり、草むしりをしたりして、夏休みの大事な宿題「絵日記」の1ページにしてみてください。真っ赤に色づいたトマトや大きなナスやとうもろこしの迫力には、子どもたちもきっと感じるものがあるはずです。insect.jpgただし、朝夕の農作業は要注意。この時期、虫たちが凶暴になっています。最近、朝方の草取り中に小さな虫にさされ、顔がパンパンになる経験をしました・・・トホホ。虫の威力、恐るべしです。お子さんが朝夕畑に出られる際は、しっかり対策をしてあげてください。

driving.jpg帰省ラッシュがピークを迎えました。先週末も高速道路の各サービスエリアは、家族連れやグループで大にぎわい。車にアウトドアグッズをいっぱいに詰めて、みなさんはどこに出かけるのでしょうか? なんだかワクワクしてしまいます♪ 「いかにも夏!」という入道雲はこの週末に残念ながら見ることができませんでしたが、ワンピースにサンダル姿の女性や、タンクトップやTシャツにハーフパンツ姿の男性の姿は、残り少ない夏を感じさせてくれます。しかし長野にお越しの際は朝夕冷えることが多く、雨が続くここ最近はとくに油断大敵です。一枚羽織るものを持つことをおススメします。

momo.jpg信州の各地でももが食べごろです。9日から来月の9月6日(日)まで北信州の飯縄町では「ももフェア」を開催しています。町内のペンション、温泉施設、ケーキやさんやお菓子屋さんやレストランで、この期間中、町で収穫される「もも」を使った、思わず手が出るくらいのスウィーツと独自の料理も提供をはじめました。なかでも年間を通じての地元農産物をつかったスウィーツが楽しめるお菓子屋の明月堂さんの店主の藤縄直美[ふじなわなおみ]さんは「明月堂のケーキ、お菓子は地元の農産物を使うのが主体。ももの時期しか食べれないスウィーツを是非食べてみてほしいですね」と話しています。飯綱町の食のガイドは「ここ」に。

sunflowers.jpg雨で開催の遅れた甲子園では日大長野高校が一勝をあげました。夏休みといえば夏祭りや花火大会。先週の暦でもお伝えしましたとおり、今週末は長野県の各地で夏祭りや花火大会が催されます。澄んだ空気の中で、きれいな花火を見ながらビール片手においしい農産物を堪能したいですね。どうか天気に恵まれますように!

climate.jpg今週は楽しい一週間になりそうですが、信州は山国です。くれぐれも車での事故や水の事故にはお気をつけください。先週は県北部でも一時強い雨が降りました。下高井郡野沢温泉村と中野市では1時間に30ミリを超える大雨で、土砂崩れや住宅浸水の被害が出ました。週末にも諏訪地方で大雨が降り、河川の増水や土砂崩れが相次ぎ、高速道や鉄道の運行にも障害が出ました。今年は気候の異常が日常化してます。もとより自然の力には太刀打ちできません。自然に耳を傾け、正確な情報収集と、できる限りの備えをしておきたいものです。

top-090805_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。今週は“桃色”に色づいたももです。県北部の飯綱町平出地区で収穫される「丹霞郷(たんかきょう)のもも」と呼ばれるももたちです(今週の記事参照)。ももは常温で熟させ、食べる直前に冷蔵庫で冷やすと、ジューシーで甘くておいしくいただけます。


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meteorvillage.gif12日の夜から13日の明け方にかけて、毎年恒例のペルセウス座流星群が極大になり、無数の流れ星がわたしたちの夜空にもかえってきます。14日の下弦の月を直前にして月がかなり明るくて見えにくいのですが、深夜になったら月から少し離れた北東の空をたびたび眺めてみましょう。佐久市臼田のうすだスタードームでも午後9時からペルセウス座流星群観望会が開かれます。予約不要です。

Firebombing_leaflet.jpg13日、1945年のこの日、太平洋を本州に迫っていたアメリカ海軍のエセックス級航空母艦ハンコック、ベニントンから発進した艦載機62機により、長野市、上田市が空襲を受け、飛行場、駅、赤十字病院などが爆撃されました。死者40人、負傷者51人、被害を受けた家屋は119戸。それまでも空襲警報はあったものの長野市とその周辺が空襲を受け、実際に弾丸が飛んできたのは、この8月13日が最初で最後でした。そして二日後の15日は終戦記念日、あるいは敗戦記念日。戦死者約212万人、空襲による死者約24万人を数えました。日本は今後2度と戦争をしないことを誓ったのです。

edo_obon.jpg15日は月遅れのお盆。本来は旧暦の7月15日(今年の新暦では9月3日)を中心に行なわれている祖先の霊を祀る一連の行事です。古くからの農耕儀礼や祖霊祭祀などが融合して伝えられてきたもので、武家や貴族や僧侶、宮廷の上層階級で主に催され、一般庶民に広まったのはローソクなどが大量生産されるようになってみんなの手に入りやすくなった江戸時代ごろからとされます。古くからの風習を代切にするところでは新暦になってからは季節感がずれたために1カ月遅らせて8月の15日におこなわれるようになりました。それでもまだ少し早めなのですが。盆踊りや送り火がおこなわれるのは、ほんとうはつぎの満月の前後だったのです。

bonodori.jpg先週の暦では盆踊りの木曽節の話をしましたが、信州には古来の風習を伝えるものがまだ残っています。みなさんは盆踊りというとどういうものを想像しますか? 夜暗くなると町の広場に人々が集まり、やぐらの上では笛や太鼓など音楽などで音頭がとられ、深夜になる前には楽しい踊りが終わってみんなはそれぞれの家に帰るのが普通ですよね。下伊那郡阿南町新野(にいの)で14日から16日(正確には17日の朝)までおこなわれる盆踊りは、そうした盆踊りのイメージがひっくり返ります。そして日本列島で古来からおこなわれていた祖先を崇拝するための真夏の踊りの元型に誓いものはこういうものだったのではないかと、感じるかもしれません。新野の盆踊りは国重要無形民俗文化財とされるもので、学者さんのなかには500年以上続いているという人もいます。ここの盆踊りでは、笛や太鼓や三味線など音を出す鳴り物はまったく使わないのです。だからしばしば「静かな盆踊り」などと言われます。音頭をとるのは人間の声と手拍子だけ。歌にはさまざまな思いがこめられているのが心に強く残ります。「 恋にこがれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす」「稲は穂にでて畦寄りかかる 私ゃあなたに寄りかかる」「盆よ盆よと楽しむうちに いつか身に沁む秋の風」これらはたくさんあるお盆の歌の一節です。踊りも7種類があり、夜9時頃にはじまって、一度はじまると翌朝夜が明けるまで、みんなの眼が赤くなるまで続くのです。踊りには誰でも、どんな格好でも参加できます。niino_bondance.jpg必ず踊り方を教えてくれる親切な人がいます。ピークは16日の夜から翌17日の朝までで、17日の最後にだけ「神々を送るために踊る特別な踊り」がありまして、この夜は多いときには2000人近くの人々とそのスピリットたちが訪れ、結果的にみなその踊りに参加することになります。この盆踊りは、仏教伝来以前の「霊送り」の形が残されているともいわれ、日本列島では珍しいものです。最後に切子燈籠に火がつけられて、人々は「秋歌」をうたいながら、うしろを振り向かないでもと来た道を家に帰ることになります。はるかな時間をさかのぼるようなスピリチュアルで官能的な感覚で、きっと忘れられない体験になるでしょう。この盆踊りのことをもっと知りたい人は、「新野・千石・盆踊り」(阿南町新野の盆踊り を応援する、保存会(半)公認の応援サイト)「盆踊りの世界」サイトのなかの「新野盆踊り」のページを参考に。そしてまだ間に合うのなら、ぜひ直接体験にいらしてください。

indexarrow.gif 長野県の秋の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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