昼食を済ませお腹も落ち着き、さてこれから午後の仕事に取り掛かかろうとするやさきの昨日午後0時48分、突如として大きな揺れが県北部を襲いました。震源地は長野県北部で、マグネチュード5.2(推定)、最大震度5弱を観測したのは、キノコ農家も多い中野市や木島平村です。その後も余震が続き、しばらく穏やかだった県内ですから久々にヒヤリとしました。それにしても大震災以降日本列島で幾度となく繰り返される地震に予断を許せません。
停滞した梅雨前線の影響は九州や西日本などに甚大な被害をもたらしました。その一方で、これまでカラカラに乾いていた長野県内でしたが、この週末ようやくまとまった雨が降りました。田んぼの稲は大地にしっかりと根を張った様子で、以前のヒョロヒョロとした苗も今では緑濃く太く逞しく生長しています。また畑で、ふさふさと風にそよぐ薄緑色の細く軟らかな毛をもつトウモロコシの収穫が県南部ではすでに始まりました。そのトウモロコシ前線もじわりじわりと北上し、県中部でも収穫が少しずつ始まろうとしています。さらに今週の記事にもありますが、露地ものスイカの出荷も9日から始まりました。夏本番まであと一歩といったところでしょうか。
日除け用に育てられた朝顔は、3つ4つと少しずつ咲き始めています。また夏を代表するヒマワリの花が、県中部の安曇野市で出荷ピークを迎えています。さらにこの安曇野ではソバ畑の花も見頃を迎えているということですが、今満開を迎えているのは、テレビ小説「おひさま」の舞台になった場所。テレビで見たあの光景が鮮やかに甦ってくる方もいることでしょう。花の見頃は7月中旬まで。その後は再び種を蒔き、9月中旬頃には秋ソバが花を咲かせることになるそうですが、ちなみに撮影のセットとして作られたかやぶき屋根の水車小屋や道祖神などは来年3月末以降、撤去となる予定だそうです。
県内でも有数のレタス産地・塩尻市洗馬では、地元小学校の生徒によるレタスの収穫が行われ、近くのスーパーで販売されました。これは総合学習と生活科の授業の一環として、生徒たちがレタスづくりから販売までを行っているもので、収穫された1,500程のレタスは1個50円で販売され、たった30分ほどでアッという間の完売となったそうです。
早くもリンゴのシーズンが始まりました。県北部の長野市ではリンゴ「祝(いわい)」の出荷が始まり、初出荷では昨年より3倍ものリンゴが首都圏へと運ばれていきました。これは盆用・お飾り用としての青リンゴですが、これを皮切りに県内のリンゴシーズンもスタートです。さらに長野市ではネクタリンの出荷も始まっています。初夏の旬もののネクタリン、こちらも今年は豊作傾向ということで昨年より出荷量が多くなっています。
たくさんの野菜が採れる夏場には、キュウリやスイカを食べてクールダウンするもの手ですね。旬のキュウリやスイカには体を冷やす効果があるほか、利尿作用や、むくみや疲れなどを解消する効果も期待できます。
また塩麹が流行る今ですが、是非ともマスターしたいのが、先人たちの知恵に習った”ぬか漬け”づくり。ぬか漬けが良く漬かるのは25〜30度ということで、しかも夏野菜は根野菜より漬け上がりが早いため、まさに今はぬか漬けを作るのに調度良い時期。さらにぬかに含まれるビタミンやミネラルによって、生野菜を食べるよりも高い栄養価の摂取と、腸への良い働きをもたらしてくれるようです。
暑さが厳しくなる時期に向けて、農作業ではくれぐれも無理をしないよう熱中症にはご注意ください。特に高齢者の場合は暑さを感じにくく汗を出す機能も低下していますから、自分では気付かないうちに脱水症状が進み熱中症にかかる危険性は高いようです。農作業は涼しいうちに行ったり、冷たい水を常に携帯して30分毎に水分を摂るほか梅干しなどで塩分を補給したり、また涼しい場所でこまめに休息をとることが大切です。ちなみに雨が降った後などは、気温がそれほど高くなくても湿度が高いと熱中症になるケースもあるようです。
今週13日(金)から蓼科高原をメインに「献上寒晒(かんざら)しそば祭り」が開催されます。これは江戸時代に諏訪の高島藩から将軍家へ夏の土用そばとして献上されていたもので、秋に収穫した玄そばを大寒の時期に清流に浸し、また立春にはそれを寒風に晒して夏まで土蔵で保管したもの。地元が団結して復活させたこだわりの十割そばは「献上寒晒しそば」の緑ののぼりが目印です。そば祭りは今月22日(日)までの期間限定開催。
詳しくは茅野商工会議所、電話:0266-72-2800へお問い合わせください。
今週末15日(日)は、「ながの祇園祭 御祭礼屋台巡行」が長野市の中央通りをメインに行われます。この祇園祭、江戸から明治時代には善光寺門前の各町で競って巨大な山車をつくり巡行が行われたそうですが、現在では御開帳の年など数年に一度の開催となっていました。今回は2009年の御開帳以来の開催ですが、今後は毎年の開催を予定しているそうです。当日は中央通り付近が歩行者天国になるなど交通規制もおこなわれますので、お出掛けの際は事前にご確認のうえお出かけください。
今月8日(日)から放送のTBS系連続ドラマ『サマーレスキュー〜天空の診療所」はご覧になりましたか。北アルプスの山岳診療所を舞台にしたこのドラマにあわせ、松本市内のロケ地や観光情報が掲載されたロケ地マップが松本観光コンベンション協会によって製作されました。以前から松本には興味があるけれどまだ訪れたことことがない方、そしてテレビを見て実際にその景色を確かめてみたいと思った方など、松本市観光案内所などで無料配布されていますので、それを参考に松本市内を旅してみてはいかがでしょうか。
梅雨が明ければ登山シーズンも本格化を迎えますが、今年北アルプスでは梅雨入り後も雨が少なく、沢筋には例年より残雪が多いため、県警ではくれぐれも注意して余裕を持った安全な登山を呼びかけています。
*巻頭のカバー写真。上田市の菅平高原では特産のレタスが出荷の時期を迎えています。菅平は運動部の夏合宿地としても有名。多くのアスリートやファンが全国から訪れますが、彼らの「食」を支える態勢が整っているのも菅平の魅力です。

*コラムはしばらくの間お休みさせていただきます。