今週に入るとようやく体を温めてくれる程の嬉しい陽射しも降り注ぎ、また長野市内から少し遠くに望める2000メートル級の山々を覆っていた雪も天辺を除いてまばらとなり、おくらばせながら春がきたことを心地よさと共に実感しているところです。行きつ戻りつの寒さにあって、今もっとも気に掛かるのが、桜の開花。長野市内の桜のつぼみは、まだ咲く気配が全く感じられませんが、下伊那郡天龍村の桜・ソメイヨシノが先週6日、いよいよ信州で一番早い春を告げる開花宣言をだしました。厳しい冬の寒さと不安定な4月の天候で、例年より2週間ほど遅い開花ということ。これを皮切りに南北に長い長野県の桜前線は一気に北上を始めます。本日11日9時時点のウェザーニュースによれば、県南部・伊那市高遠城址公園の開花は本日12日、満開17日、また県東部・上田市の上田城跡公園の開花は17日、満開は23日、県中部・松本市の松本城の開花は16日、満開は22日の予定です。
花は見たいけれど、自分で車を運転して行くのはどうも・・・という方もどうぞご安心ください。明日12日からは「お花見バス」が、高遠城址公園と松本・諏訪地区の間を1日1往復運行されます。午前7時20分にJR松本駅を出発し、10時過ぎに高遠城址公園に到着。また帰りは午後1時に同公園を出発し4時前に松本駅に戻るというもの。松本駅から高遠城址公園までは、城址公園の入園券も含めて大人3千円。詳しくはアルピコツアーセンター(0263−24−1180)へお問い合わせください。
桜もさることながら”ひと目10万本”といわれる県北部は千曲市のアンズの花も見所のひとつです。そしていよいよ、今週末にはいよいよ開花となる見込みでしょうか。しかし「春に3日の晴れなし」といわれるように、いいお天気が長く続かないのがこの時期の特徴。どうかようやく訪れた春に、残酷なる雨の襲来だけはご勘弁願いたいものです。
ところで花見もいいけれど、やはり花より団子、でしょうか。なかでも桜の花を使ったお菓子は、1年待ってこの時期だけお目見えする貴重なもの。見て楽しむだけでなく、食べても春を味わうだなんて、なんて贅沢。そんな桜のお菓子探しもまた楽しいものですよね。
桜のせいでついつい頭上ばかりに目を奪われがちですが、ふと地面を見れば、可愛らしい青いスカートを広げたオオイヌノフグリや、もみの木のような形をしたヒメオドリコソウ、そして白い草花が土手やリンゴ畑に一斉に咲いています。こういった小さな花たちは、ひっそりと自分たちだけで訪れた春を喜んでいるかのようにも見えます。このところずっと人間は寒さに震えていましたが、そんな中でも今可憐な花を咲かせている草花には、たくましさを感じずにはいられません。
春掘りの長芋の収穫をようやく終えた県北部の松代町では、畑の土を掘り起こす土起こしが行われていました。畑のあちらこちらで土を掘り起こすための機械を操りながら、大勢の人が土煙の舞い上がるなかいよいよこれから始まる今年の長芋の準備に追われています。来月にはこの長芋畑に種芋が植え付けられる予定です。
この頃の暖かくなった陽射しを受けてか、畑で作業をしている人を多く見かけるようになりました。畑ではだいぶ緑色のものが増えてきて、いよいよ農業も本格的になります。そういえば、気温が高くなった日曜日には、カエルの声を聞いたという人も多かったようです。
家のダンボールの中にゴッソリと入れておいたリンゴも、もうすっかりと終わってしまい何とも寂しいばかりですが、思い出しました、まだリンゴを食べられるところが。先週のブログでは菅平高原で行っている「雪中埋蔵りんご」をご紹介しましたが、県北部の飯綱町でも「雪ねむりりんご」として同町の横手農産物直売所で発売されています。さらに雪の中からは先頃日本酒の掘り出しも行われました。これを行ったのは信州そばの本場でもある長野市戸隠。雪の中で熟成された日本酒は、搾りたてにはない、まろやかな味わいということで、今月下旬より戸隠の土産店3店で販売されるほか、宿泊施設などでも味わえるそうです。そばとの相性のいい日本酒を是非とも一緒に味わってはいかがでしょうか。
県中部のJA松本ハイランド(本所:松本市)では、今年産米種もみの温湯消毒が始まりました。この温湯消毒は農薬を使わなくてすむのでコスト削減や減農薬栽培が可能となります。早生品種のあきたこまちをはじめ、コシヒカリ、もちひかりなど順次種もみの消毒が行われ、生産者に配布されていきます。
安曇野にある大王ワサビ農場では、今ワサビの花が満開を迎えているそうです。ワサビといえば、根の部分を摩り下ろして薬味として使うのがもっともポピュラーな味わい方ですが、地上から上の茎や葉っぱ、花だってちゃんと食べられるのです。その食感はシャキシャキとして歯触り良く、とはいえもちろんワサビですから、ツ〜ンと鼻をつくのには覚悟のほどを。お酒のおつまみやお茶請けに、この時期ならではの旬の味覚が楽しめます。
今、長野で道を歩けば必ずと行っていいほど擦れ違うのが、ランニングをしている老若男女。それもそのはず、週末15日はいよいよ第14回長野オリンピック記念長野マラソンが開催されます。昨年は東日本大震災などの影響で中止となり2年ぶりの開催です。今年は8千人の参加定員を1万人に増やしたとのことで、職場や友人にもこの大会に参加する人がいるのではないでしょうか。当日は朝早くから交通規制も行われますので、長野市内を移動する予定のある方は、事前にチェックのうえお出掛けください。
2月1日から全面運休となっていたJR大糸線南小谷・糸魚川間が、約2ヶ月ぶりにようやく4月7日より運転が再開されました。当初は2月下旬までの運休予定が、降雪の影響で3度延長された末にようやく再開。全面運休は大雪だった2006年の54日を上回る長さということです。運転再開の日を迎え、この日を待ち望んでいたスキー客や地元の学生らは早速列車に乗り込んでいました。日本海と白馬を結ぶこの路線が、今後も安全に運行される事を願ってやみません。
*巻頭のカバー写真。今が旬のワサビの茎のお浸し。ワサビ漬けもいいけれど、こんな食べ方ができるのは今だけ。鼻を突く辛みがたまりません。

*コラムはしばらくの間お休みさせていただきます。