新信州暦 枝豆が葉数を増やすころ夏がくる

SummerSolstice.jpg相当日が長く遅くまで明るいことに驚くこの頃、気づけば本日は一年中で最も昼間が長く夜が短い日とされる夏至を迎えました。太陽は今日の午前2時過ぎに北への旅を終えており、明日には向きをかえて南に向かいはじめます。つまり、北半球では、今日は公式に夏の最初の日です。本日この夏至にあわせて長野駅前広場では、夜7時から、電気を消してろうそくの明かりで夏至の夜を楽しもうと「キャンドルナイトコンサート」が開かれます。これは地球温暖化防止の取り組みとして施設や家庭での消灯を呼びかけるライトダウンキャンペーンの一環で、今年は東日本大震災への犠牲者への哀悼の意を込めた約300本ものろうそくの灯をともし、県内の音楽家らによるコンサートがひらかれます。

enemaru.jpg長野県では「さわやか信州省エネ大作戦」として節電に取り組む県民運動もスタートしました。当編集部のあるJA長野県ビルでも、冷房の基本設定温度を29℃とするほか、こまめな消灯、そして環境省が全国的に呼びかけるライトダウンキャンペーン特別実施日の本日(夏至)と7月7日(七夕)にあわせて、エレベーターの稼動数を減らし、ノー残業デーを実施したり、また食堂では夏野菜等を使った冷たいメニューを提供するなどの取り組みがされています。

fan.jpgここ数日は日中蒸し暑く、冷房がまだ入らない職場の窓は大きく開け放たれ、時折吹く風をたよりに背中に汗をじっとりとかきながら、冷房が入るのを今か今かと耐え忍び待っているこの頃です。雨が少なかった先週までの天候もようやく梅雨らしく雨が降るようになりました。通勤時間の朝夕は吹く風がヒンヤリと爽やかで肌に心地良く、いつまでもこのくらいの気温で止まっていてくれればと思うのですが。

semi.jpg少し標高の高い場所の木立の中へと入っていけば、奥からはセミの声が。夏の暑い最中に鳴き立てるあの暑さを倍増させるセミが早くも? もうセミの時期? と驚いて土地の人に尋ねれば、それはセミといっても「春ゼミ」というものなのだとか。

kyu_ri.jpg里の畑では枝豆の苗が日ごとに丈を伸ばして葉っぱの数を増やしていますが、この枝豆が大きくなるのを見ると夏がすぐ近くまで来ていることを感じます。そして今年はトマトが順調な生長を見せています。この熱過ぎない今の天候がいいのでしょうか、たくさんつけたこの小さな青い実は、なんだか希望を与えてくれます。そしていよいよキュウリも採れるようになりました。また近所の家の軒先では、タマネギを干す光景も見られます。サヤエンドウはそろそろ終盤。葉っぱの陰に隠れて取り損ね、グリンピースのように太ってしまったお化けエンドウはちょっと滑稽ですが、美味しい時期に食べてやれなかったのには、ちょっとだけ申し訳ない感じです。またジャガイモも青々とたくさんの葉を茂らして白やピンクの花を咲かせています。

swallow.jpg外を歩いていると何処からともなくツバメがヒューンと急上昇、急降下と自由自在得意げに飛び回る姿を目にします。ならば何処かにツバメの巣があるのでは?と思って辺りの軒下を見回せば、見つけた巣の中にはすでにだいぶ大きく成長している仔ツバメたちの姿がありました。

ajisai.jpg家々の庭では、まだもう少しバラの花が楽しめそうです。そして梅雨時期に咲くアジサイが徐々に色付きはじめています。けれど日中の炎天下にあっては、アジサイの大きな葉っぱはグッタリとして気の毒に思えてしまいます。各地の高原ではレンゲツツジが見頃を迎えています。県内最大級のレンゲツツジ群生地となっているのが県北部・須坂駅から車で50分程のところにある五味池破風高原自然園で、この週末が見頃だそうです。詳しくは須坂市観光協会(026-215-2225)へお問合せ下さい。また県東部の東御市と群馬県嬬恋村にまたがる湯の丸高原でもレンゲツツジが7月上旬まで楽しめます。南信州下伊那郡大鹿村の大池高原では中村農園のヒマラヤの青いケシの花が見ごろを迎えています。大鹿村にある鹿塩温泉山塩館のブログによれば「今年のケシの青さたるや本当に見事!」だそうです。美しい写真も見れますよ。

nemagaritake.jpgそして今年も県北部に住む信州人が待ちのぞむ“ネマガリタケ”の季節がやってきました。けれどネマガリタケを採りに行けない方もご安心を。今ではネマガリタケを使った味噌汁が志賀高原内の飲食店20店で食べることが出来ます。1杯400円で提供されるこのネマガリタケの味噌汁、店によって独自にアレンジされ、各店によって味も様々、オリジナルのたけのこ汁が楽しめるそうですので、いろいろ試してみては如何でしょうか。7月3日(日)まで。ただし「たけのこ汁」の看板が出ていない時は、売り切れですのでお早めにお出掛けください。

hatiku.jpgまた野沢温泉村でもたけのこまつりが7月の上旬まで行われ、タケノコを始め山菜が楽しめます。タケノコといっても、長野市西部の西山地方では、ネマガリタケより太くて長い、縦笛のようなサイズの「淡竹(はちく)」がよく食べられます。煮物にはもってこいの柔らかな歯応えをした美味しいものですが、タケノコとひとくちに言っても、県内には様々なタケノコがあるのです。

suika.jpg県内では早くもスイカの季節がはじまりました。県中部の松本市波田にある松本ハイランド農協すいか共選所では、先週16日からハウス栽培されたスイカの出荷がはじまりました。昨年より9日早い初出荷。4月は低温で日照量は少なかったものの6月上旬は日照時間が長く平均気温も高めで糖度や品質は良好とのこと。また来月10日頃からは露地モノのスイカも出荷がはじまる予定です。

sarada.jpg暑さとの戦いとなる今シーズンは、体を冷やす効果のある夏にとれる野菜や果物を摂取して、自然に近く環境に優しい方法で涼しさを取り入れませんか。けれど冷やしてばかりでは体を壊してしまいますので、そんなときは体を温める作用のあるショウガやネギ、ミョウガやシソといったものをあわせて取り入れることもお忘れなく。また家の庭では日除けに朝顔やゴーヤの苗を今年は植えた。という声も多く耳にします。

pray.jpg東日本大震災から100日目となった先週土曜日、長野市の善光寺をはじめその他の寺でも百箇日法要がおこなわれ、大勢の参拝者が本堂内に集まり犠牲者の冥福を祈りました。震災に寄せられた義援金の給付が進んでいないという話も以前聞かれましたが、大勢の方の善意が一刻も早く、一番困っているときに被災者の手元へ届いて欲しいものです。

anzu_heiwa.jpgアンズファンのみなさま、いよいよ週末からアンズの出荷が開始されます。今回出荷されるのは「平和」という酸味が強く甘みが少ないもので主に加工用としてジャムなどにされるもの。また25日からは、千曲市でアンズ狩りもおこなわれますので、今年の初夏の味覚を味わってみてください。

w1.gif金融機関の窓口に野菜を買いに行く。と言ったらおかしいですか? 長野市にあるJAながの吉田支所では、金融業務の窓口で農産物の販売が行われています。他の金融機関とひと味違うJAならではの店づくりをしようと行われているもので、利用者には「支払についでに便利」「来る楽しみが出来た」と好評な様子です。

cover11063fix_small.png*巻頭のカバー写真。長野県中部の安曇野市ではタマネギが収穫を迎えていました。丸々としてどっしりと重いタマネギ。このまますぐに食べても辛味が少なく甘さのあるタマネギですが、これから1ヶ月以上乾燥させてから出荷されていきます。


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shinanonokuni.png明日23日は下弦の月。25日は一部の信州人に「信州共和国」の国歌とされ、またそう信じられていたりする「信濃の国」という歌が信濃教育会雑誌第153号に発表された日です。1892年、明治25年のことでした。作詞は当時長野師範学校の漢文の教師だった浅井洌(あさいきよし)という人です。最初この歌は、同じ師範学校の教師である依田弁之助が作曲しましたが、曲風が古すぎて歌う人はいなかったといいます。しかし翌年、長野師範学校の記念運動会で、女子部生徒の遊戯用として、現在の東京芸術大学、当時の東京音楽学校卒業で、長野師範学校に依田の後任として青森県から赴任してきた北村季晴(きたむらすえはる)が曲を作り直したところ、これがたちまち長野県の人の心をつかまえて、広く歌われるようになったとされます。長野県の県歌として指定されるのは昭和43年、1968年のことでした。「信濃の国」は六番まであるのですが、筋金入りの信州人だと三番まではそらで歌えるらしいです。

hotaru.jpg県南部の上伊那郡辰野町の松尾峡にある「ほたる童謡公園」では、初夏を告げるホタルが舞いはじめました。昨年と比べると1週間ほど遅い発生だそうですが、ホタルの鑑賞に適した条件とされるのは、雲が多くて蒸し暑く、風の無い静かな夜だそうで、強い風が苦手なホタルは風の強い時、草の陰に隠れてしまうのだとか。発生状況でみると、先週末は一気に4400匹を超えるなどその数を増やしてきました。おそらく今週末はピークを迎えそうです。恒例の辰野ほたる祭りは26日まで。

shinshu.gif週末をもって休日上限千円が廃止となった高速道路。その最終日には県内でも一部で渋滞が起こりましたが、これからは財源を東日本の震災の復興に充てるということ。車で来やすい長野県は、これまで休日には多くの県外車を見かけ、県内をはじめ全国でも地域の活性化にとても役立っていたでしょうこの制度、廃止は残念なことですが、しかし見所、そしておいしいもの満載の長野県ですから、引き続き大勢の人に訪れていただき信州の魅力を発見して欲しいと思います。

mugi-syuukaku.jpgNHK連続ドラマ小説「おひさま」の舞台の安曇野では、水田に植わる稲の苗と、こんがりと色づいた麦とが緑と黄金色とでまるでパッチワークのように色鮮やかな光景が広がっていますが、いよいよこの麦の大麦が県北部の千曲市や中部の松本市で収穫を迎えました。この大麦は麦茶や押し麦の原料とされるものですが、その後は小麦の収穫がおこなわれます。

ohisama.png大糸線を走るJR東日本の松本ー南小谷間で、連続ドラマ小説「おひさま」の登場人物を車体に装飾したラッピング列車が1日5〜6往復運行しています。ドラマの舞台・安曇野をPRしようとJR東日本長野支社とNHKが企画したもので、運行は9月下旬までの予定。「おひさま」ファンのみなさま、そんな列車も楽しみに安曇野を訪れてみませんか。

chinowa.gif6月の最終日には半年分の罪と汚れをはらい清める神事の大祓(おおはらい)が執りおこなわれます。いまごろになると神社の拝殿の前に、「茅の輪」と呼ばれる茅(ちがや)や、真菰(まこも)、蒲の穂を束ねて作った大きな輪が設置されていて、これをしきたりにならってくぐる行事が行われています。夏越の祓といって、この輪をくぐることによって災厄や疫病から免れることが出来ると言われます。この神事が、広く行われるようになったのは、「蘇民将来(そみんしょうらい)」の故事にもとづいています。神代の昔、須佐之男命が、蘇民将来に一夜の宿を借り厚いもてなしを受けたお礼に、病気にかからない霊力のある茅(かや)で作った輪を授けたのです。「茅の輪」の力のお陰で蘇民将来の家族は末永く栄えたとか。以来、人々は「蘇民将来の子孫なり」と口々に唱え、「茅の輪」をくぐるようになったとか。茅の輪くぐりをさせてもらえる神社は幾つもありますが、信州には「蘇民将来子孫」と記された札を玄関にかける家も多く見うけます。

indexarrow.gif 長野県の夏の気象の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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