11月に入りました。霜月というだけあり、早朝、地に生える草には白くてキラキラと光る霜がうっすらと降りており、日に日に冬の近づきを感じさせます。今朝は氷点下を記録し初霜初氷を観測しました。諏訪湖畔のイチョウ並木も黄金色に染まっていました。銀杏を拾う人の姿も見うけます。黄色や赤色に鮮やかに染まった美しい山々のはるか遠くには、てっぺんをすこしだけ雪で白く染めた山々。ひんやりした澄んだ空気には、低い雲が穏やかに浮かんでいます。信州の田ではほぼ稲刈りが終わり、はぜ掛けされた稲穂を見る機会も少なくなりました。いつしか静かな農村風景に様がわりです。このきつくなってきた寒さを喜んでいるのがりんご農家のみなさん。最低気温が下がり気温差が大きくなると、りんごの蜜の乗り具合がよくなるから、いっそうおいしくなった完熟のふじリンゴが期待できるようになるからです。
先週末は関東に接近した台風の影響で信州は雨が。しかし、そんな休日のお返しにとでもいうのでしょうか、昨日の祝日は気持ちの良い青空が信州の大地にも広がりました。
高速道路や一般道ではたくさんの県外ナンバーの車。早朝からお出かけになった方も多かったのではないでしょうか。この時期の信州には、おいしい食べ物はもちろん、散策や温泉など、各地のお出かけスポットも充実しています。ぜひ、未知を歩きにお出かけください!
さあ、今週の記事「他言無用! おいしいふじリンゴを見分ける」でも紹介しているように、リンゴの王様と言われるふじリンゴがいよいよ今月から登場です。出荷のピークは12月頭まで続くそうで、リンゴ畑にもまだまだ赤いリンゴがたくさん実っています。リンゴはそのまま食べるという方が多いかもしれないですが、薄く刻んでサラダにまぜたり、スライスしてチーズと一緒に食べたりすれば、味にも健康にもバランスのよいお料理やおつまみになります。リンゴがもっているバランスのよい栄養素を上手につかって、毎日の食卓を楽しんでください。
年末という言葉を耳にしはじめる時期ですね。忙しさもピークという方も多いかもしれません。日によって寒さに差が出るこの時期は、体力も奪われがち。うっかり薄着で出掛けてしまったり、部屋の温度管理に失敗したりと、風邪をひいてしまいそうになります。先週の新信州暦にある「正しい手の洗い方」を実践し、うがいを忘れずに。また疲れて冷え切った体を温めてくれるので、旬の根菜類をお食べください。直売所にはゴボウ、レンコン、ニンジン、ダイコン、サトイモ、カボチャなどが並んでいます。この時期に体が自然と欲する食べ物は、体を温めてくれるこれら根菜類。体に染み入る具だくさんの汁ものなどで、しっかり栄養をつけて、体の冬支度も。
南信州では「市田柿」づくりがはじまっています。信州の冬の風物詩といえる“干し柿のすだれ”。今では家庭の軒先などで吊る下げられている様子がかつてより少なくなってしまったものの、この時期に一見する価値のある風流な光景です。
県内JAの話題としては、北信州に位置するJAグリーン長野で「ユーカリ」の出荷がはじまりました。ユーカリは添え花やアレンジに使われます。また、県内で最もワイナリーの数が多い塩尻市にあるJA塩尻市ワイナリーで、新酒ワイン「オータムクロープス(秋の収穫)」の販売がはじまりました。地元原材料100パーセントで醸造した酸化防止剤無添加のワインです。こちらはワイン農産物直売所を中心に販売されます。これからのイベントには、信州産のお花でお部屋を彩り、体に優しいワインをお楽しみください。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。信州の多くの山で紅葉に初冠雪が見られた日の翌日、先週金曜日の夕方、長野市で見られた夕焼け。「空がものすごく綺麗だぞ!」との一声に編集部員全員の目が空にくぎづけに。赤く美しく染まった秋の夕空。それは台風が関東に接近する前の、恐ろしくも美しく静かな一瞬の出来事。

●山で食べられるものが少なくなった食糧を求めてクマやイノシシ、タヌキなどが人里にでることもしばしば。そうなると農作物を荒らされる農家の悩みも深刻です。先日は「ハクビシンが出た」という話も聞きました。ネコのような体つきで額から鼻にかけて白い線がある動物です。古い民家の屋根裏や縁の下に住み着くこともあり、騒音や畑を荒らしたりする困り者です。先月31日には大町市でクマの緊急駆除に向かった猟友会の男性が窮鼠猫を噛むではないですが、追い込まれたツキノワグマに逆襲され、軽傷を負ったという報告もありました。まあ動物たちも冬に備えて生命を維持するべく必死なのですけれど。
今週末の6日が新月です。夜空に月明かりが無くなるこの夜は、晴れていれば空を見る絶好の機会。11月上旬ごろを中心に、おうし座流星群が活動を活発化させています。その翌日7日が二十四節気のひとつ「立冬(りっとう)」言うならば公式に冬のはじまる日です。永代大雑書萬暦大成という江戸時代の暦には「水がはじめて凍り、地がはじめて凍る」と書かれています。冬も、水も、大地も、陰陽の世界では陰に属し、陰が陰を呼んでこの日には冬の気が立つとされます。去年の冬至から数えて319日目。暦便覧には「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也」と記されています。秋分と冬至の中間に当たり、昼夜の長短を基準に季節を区分する場合、この日から立春の前日までを冬としています。長野市でも初霜と初氷が観測されました。
来年の2月4日午後2時にその瞬間を迎える立春までが公式には冬。今月は毎日1分ずつ日の出が遅くなり、およそ毎日1分ずつ日没が早くなりますから、毎日2分ずつ夜の時間が長くなっていきます。灯火親しむ季節、インターネツトにはまって夜もふける?
8日は信州と甲州の間にそびえる八ヶ岳の日。八ヶ岳を愛する人々が結成した「八ヶ岳の日制定準備委員会」が制定したもの。「11(イイ)8(ヤツ)」の語呂合わせから名峰八ケ岳を愛するすべての人たちのための「八ケ岳の日」とされました。
長野県の秋の気象の特徴
長野県の冬の気象の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより