新信州暦 信州がリンゴであふれる季節です

northwind.jpg10月最終週の信州の空は厚い雲に覆われ、雨が降ったり止んだりの天気が続きました。今日の長野市は朝から青空が見えてはいるものの、気温は6℃。昨日の朝からグッと冷え込む気候が続いています。通勤時間帯の長野市では、コートを着込んだ女性や寒そうに身を縮めて歩くスーツ姿の男性の姿が見られました。自転車に乗る人たちの中には手袋をしている人も。帰宅時には息も白くなるほどの冷え込みで、昨日から今日の間に県北部や中部の山あいでは降雪も観測されています。信州には日に日に冬の足音が近づいています。

ochibahiroi.jpg美しい紅葉は街路樹にも見られ、朝には街角で「落ち葉かき」をする人の姿があります。落ち葉が舞い落ちる様子ははかなくも、赤や黄色に染まった木の葉が足元の風景を変えてくれる様子は、この冬が近づいている季節ならではの楽しみです。上を見ても、下を見ても秋。

hazegake.jpg週末、各地の田んぼで稲刈りがされる様子が見られました。一家そろって「はぜ掛け」された稲穂を降ろし、いよいよお米の収穫です。朝のうちはははぜ掛けされた稲穂にスズメたちがたくさん止まり、人間より一足先に米粒をついばんでいました。スズメたち、今年のお米のできはどうですか?

inewara.jpgこの時期の農作業はコンバインで稲穂をワラともみとに分離させ、ワラを束ねて軽トラックに山のように積み、田んぼから片付けます。この時期信州各地の一般道路では、ワラをたくさん積んだ軽トラックが優雅に道路を走っている姿も見られます。ワラを束ねて田のあちらこちらに置き、乾燥させます。そして少し残しておいたワラを切って、すっきりとなにもなくなった田んぼ一面にちらして肥やしにします。このように米農家は大忙しでこの時期は作業を行うのです。休憩時間、田んぼの「あぜ」に腰をかけて、家から持ち出した水筒やくだもの、shinmai.jpgお菓子などを食べているようすもみられました。家族の団欒、ほほえましい光景でした。毎年、収穫された“新米”はそれを心待ちにしていた消費者にとっても、作り手にとっても、格別なおいしさでしょう。

gobotondon.jpgさて、県内の話題です。先週24日、下伊那郡の一番北に位置しくだものの里として知られる松川町で「グルメサミット」が開かれました。この地域の名物の品々を集めたこのイベントは、開催側の予想を上回る来場者で賑わったようです。駒ヶ根市の明治亭オリジナルのソースを使ったソースカツ丼や、豚肉とゴボウが入った「ごぼとん丼」(写真)が激ウマで人気だったとか。ぜひ食べてみたいです。

kodawari_vege.jpg各地のJAではこの週末にも秋の農産物の収穫を祝うJA祭が行われました。リンゴの袋詰め、キノコ汁のふるまいなど、家族連れで午前中からにぎわったそうです。野菜や加工品もお安く手にはいります。これから行われるJA祭もあとわずかです。ご近所でしたら、ぜひお越しください!

【東信地区】11月〜 JA佐久浅間 各地区祭
【中信地区】11月6、7日JA松本ハイランドJAまつり2010
【北信地区】11月6、7日〜JAグリーン長野 各地区祭
      11月6、7日〜JAちくま祭

gobo.jpg最後に、うれしいニュース。長野市の南地域に位置するJAグリーン長野から、県内有数のナガイモの産地、松代町のナガイモが豊作という情報が届いています。ナガイモは生食でのタンパク質含有量は野菜一といわれているほど。これからの季節、健康維持のためにも積極的に摂取したい根菜のひとつですね。また、さらに北に位置するJA北信州みゆきでは、常盤牛蒡の収穫がピークを迎えています。「常盤牛蒡」と書いてなんと読むかわかります? 正解は「ときわごぼう」です。北信州の飯山市常盤で収穫されるこの野菜は、長野県の「伝統野菜」にも指定されています。肉質は柔らかく、あくが少ないの点が特徴です。さあ根菜やきのこのおいしい季節です。体をあたためる大地の恵みで、寒さも乗り切りましょう。

top_1027-1_fix_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。黄色いリンゴたち。しあわせの色ですね。先週、北信州の須坂市の果樹園で収穫を向かえ、出荷が開始された長野県オリジナル品種の「シナノゴールド」です。甘さと酸味のバランスが抜群で、シャリッとした歯ごたえが特徴。「一番好き」と言わせるほどリンゴ好きをうならせる「シナノゴールド」。一度食べてみるに価値のあるリンゴです。


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shinshugun.jpg先週の信州暦でお知らせした24日の長野県と静岡県の県境兵越峠で毎年催される「峠の国盗り綱引き合戦」ですが、今年は信州軍が残念ながら敗退し、遠州軍とともに12勝12敗となり、信州軍は1メートルの領土を失い、国境が1メートル押し戻されて、実際の境界と仮想の国境が重なることになりました。信濃毎日新聞は「『信州軍』敗れ五分に 涙流し雪辱誓う」の記事が掲載されました。来年の巻き返しを期待します。

kamagake.jpg昨日26日には日没時間が午後4時58分になりました。一ヶ月前の9月26日には午後5時40分でしたから、ずいぶん日の暮れるのが早くなっています。秋の日はつるべ落としなどといいますが、夜が降りてくることの早いこと早いこと。また冷たい秋風の吹く日も増えています。秋風と夫婦げんかは日が暮れればやむなどといいますから、寒い夜には熱い鍋を夫婦や家族で囲むのも良いでしょう。昔は農家では稲刈りの終わるこの季節に「鎌上げ」といわれる、鎌を田の神さまにさしあげたと聞きます。使い終えた道具の手入れも農作業のひとつです。

sugadaira1027.jpg27日の長野市は雲は多いものの午後には秋の空が見えています。浅間山には雪や氷雨が降った様子です。軽井沢には積雪情報もだされています。信州の多くで初冠雪した山が多いかもしれません。今朝の菅平高原にも雪がうっすらと積もっていました(写真)。天気は安定せず、明日にはまた小雨という予報も。その後も天気はあまり良くありません。長野地方気象台によると、今日は冬型は緩むものの日中は気温が上がらず、11月下旬から12月中旬並みの寒さになる見込みだとか。暦のなかの言葉に七十二候(しちじゅうにこう)というのがあります。二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のことです。現在私たちは二十四節気のひとつ霜降(そうこう)のなかにいますが、明日28日は霜降の中を3分割した2番目の候で明治時代の伊勢神宮暦には「小雨時々降る」と記されています。

sunfuji.gif30日は、いよいよ今年の長野県のサンふじの解禁日です。リンゴのサンふじは、これ以前は売ることができませんので、店頭に並ぶことはありませんが、この日からサンふじがお目見えするでしょう。そう、いよいよ解禁です。無袋で夏から秋にかけての信州で太陽をいっぱい浴びたサンふじを、今年もたくさんお食べください。


bigshishi.jpgまたこの週末、30日と31日の2日間、南信州飯田市で第13回全国獅子舞フェスティバルが開催されます。南信州に保存されている70〜80基ともいわれるほど多くの、おそらく日本でもこの地域にしかない珍しい獅子舞が保存伝承されていますよ。あなたの獅子舞観をひっくり返すほどの、大型バスと同じくらい大きな胴体で、大人が抱える10キロもある頭、色とりどりの幌幕や魔除けの獅子花、大きな胴体の中からお囃子が響き、巨大な獅子が頭を振りながら勇壮に練り歩く「屋台獅子」なども見ることができます。umaizo.pngこのフェスティバルにあわせて飯田市中央公園ではうまいぞ信州ご当地グルメ大集合!in 飯田も開催されます。目を楽しませ、下を楽しませる大きなイベントに、こぞってご来場ください。この夜の月は半分ほどになった下弦の月。

cold.jpg冬が近づいてきていることを俳句の季語で「冬隣(ふゆどなり)」といいますが、急に冷え込むと風邪をひく人も増えてきます。秋の風邪にかからないためには、節度を守って食べ、飲み物は控えめにし、湿った地面のうえに横になることは避け、寒すぎずまた暑すぎずを保つべく、天気の変化に合わせて衣服を替えるべしと、19世紀の本に書いてありました。最近の科学的な見地からこれを補足しますと、風邪の予防に最も必要なものは「正しく手を洗うこと」それも「ひんぱんに」だそうです。それに風邪をひいたときには体に水分をたくさん与える必要もあるようです。熱々の野菜スープなどは、鼻のつまりを解消してくれるなど最高の薬のひとつになるでしょう。ミカンやリンゴなどの季節の果物もビタミンCが豊富で体に力をくれます。でもまずは、風邪やインフルエンザの予防に正しい手の洗い方を復習しておきたいものです。

■手の正しい洗い方  特別付録

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・風邪は万病の元といいます。風邪にかからないために重要なのはとにかく手洗いです。正しい手洗いがあなたの健康を守ってくれるでしょう。正しい手洗いの方法をまとめてみました。必要なものは普通の石鹸とたくさんの水です。

・水の温度は低くても温くてもかまいませんが、可能ならぬるま湯がよいでしょう。

・石鹸を両手の中でこすり合わせて泡を作り全体に行き渡らせます。

・ごしごし洗う時間は、最低でも石鹸をつけてから15秒から20秒間。米国の疾病医療センターでは、「ハッピーバースデー」の歌を2回歌う間と教えています。手のひらや指だけでなく、手の甲も、手首も、爪の間も、とにかく病原菌が潜んでいそうな所はことごとくこすり洗う。

・最後に特に重要なのは、細菌やバクテリアや微生物が他にうつらないように、すべて石鹸を時間をかけてじゅうぶんにきれいに洗い流すことです。

・洗い終え、すすぎを終えたら、ペーパータオルか、清潔なハンドタオルを使って水分を拭き取り、そのペーパータオルなどで水道の蛇口を回して水を止めます。ここでまた素手で蛇口を回すと、そこについていた細菌などがまた手についてしまいます。ハンドタオルはそのまま洗濯機に。

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以上が正しい手の洗い方です。これをしばしば行う必要があります。しばしばというのは、顔のまわりに手を持っていったりすることがあればその前と後に。食事の前に。調理の前に。トイレの後に。鼻をかんだ後に。くしゃみを手で押し殺したときにも。おむつの交換の後も。料理の時に肉を触ったりゴミに触れたときも。犬や猫に触ったりしたときも。いつでもそういうときには手を洗う必要があるということです。

清潔な水と石鹸が近くにない場合はアルコールが入った消毒ジェルを手につけてこすりあわせるといいでしょう。手などについた細菌などを除菌することが手早くできます。アルコールが基本の消毒ジェルの使い方は、片方の手のひらでそのジェルを必要なだけ受け、両の手を洗うようにこすりあわせ、そのまま必要なところを全部洗うようにこすり、手が乾くまでこれを続けます。でもこれは眼に見える汚れが手についていない場合のこと。土などがついていたら必ず流れる水と石鹸を使って正しく手を洗ってください。


indexarrow.gif 長野県の秋の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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