サクランボ鉢のことであなたに伝えたいこと

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サクランボ鉢を販売する大塚施設園芸さん(小布施町)に行ってきました。広いハウスの中に、ほのかに甘い香りがしています。鉢植えのサクランボたち。背丈は、人のひざぐらいでしょうか。いずれもかわいらしい実をつけています。お話しをうかがったのは、もちろん園主の大塚博美さん(68)です。

大塚さんの25年以上の経験と試行錯誤から生み出された「見て・食べて・楽しむサクランボの鉢」は、連日報道機関でも取りあげられるなどの人気ぶり。今回はサクランボ鉢でしばしば質問されることをたずねに来たのです。

q.gif 届いたサクランボは、どのように管理したらよいのですか?

a.gif 「出荷には、熟したサクランボの実が5個〜10個付いている木をお送りします。cherry_tree_hachiue.jpg届いた日でも甘さは十分で食べられますよ。もう少し、赤くしてから食べたい方は、日中太陽のよくあたる場所に置き、昼間は25℃位・夜であれば15℃位の温度を保つことで、しっかり熟していきます。また、サクランボは完熟しても約30〜40日間は木から落ちない果実ですので『見て』も楽しめます。毎日サクランボの葉がしおれないように、鉢の表面が乾かない程度に水をあげることも大切です。あげすぎると、果実が割れますので注意してください」


q.gif 毎年実をつけるようになりますか?

a.gif 「毎年、実を付ける木にすることは可能です。しかし、栽培の管理技術を教えた本職の農業者の方でも安定的に実をならせることが難しく、一般の方にはかなりハードルが高いでしょう」


q.gif 実を付ける栽培の管理とか、コツを教えてください。

a.gif 「重要なコツは(1)二種類のサクランボ品種を用意すること(2)栽培管理を徹底すること(3)休眠操作をおこなうことの3つです。

(1)は、サクランボは異品種の花粉が付かないと受粉結実しない性質を持っているため二種類の品種がないと果実が付きません。当園では、ご希望の方に高砂と佐藤錦のサクランボ鉢を用意しています。

(2)は、サクランボ鉢は収穫後、向こう4ヶ月間最低温度15℃以上の日を続けてはいけません。暖かい日が続くと、すぐに次年度の花芽が咲いてしまいます。これを『かえり咲き』と呼びます。こうすると、木は花に体力を使ってしまうため実を付けることができなくなってしまいます。house.jpgさらに、一度花が咲いて実を付けない癖をつけてしまうと実を付けずらい木になってしまいます。

主な管理としては、収穫の終った鉢を5月ぐらいから日光のよくあたる露地で落葉まで毎日潅水して管理します。盆栽や観葉植物のように半日陰で栽培すると失敗してしまいます。露地に出さず、部屋の中で管理するとダニが発生して早期落葉の原因になります。また、露地で雨に遭いますと実の発生は激減します。夏の高温期には葉が萎れないよう注意して、毎日2回位の水やりが必要で、過剰にあげすぎると根が腐れてしまいます。

(3)では、『かえり咲き』を防止するためにはどうしたらよいかですが、私のように冷蔵庫で休眠操作する方法の利用以外ありません。(詳細:特許2710259号)しかし一般の方には 大変技術が必要なので不向きの技術です。そこで、一般の方には山に持っていき休眠させるという簡単な方法をご紹介しています。特に、11月からは1000m〜2000m程度の山(冬の2ヶ月間の最低温度が毎朝0℃以下になり最高温度も7℃以下で真冬日が5日以上ある環境)で冬を過ごすとよいでしょう。ちなみに冷蔵庫では、設定温度0℃から−3℃の冷蔵庫で1400時間以上低温にあわないと実が付かないことを長年の研究でわかっています」


q.gif サクランボの適地はありますか?

a.gif 「サクランボは、長野県が南限作物とご存知ですか。ですから、県中部以北と同じ程度の気象条件が最低必要となり、県より北であれば理論上適地になります。サクランボは、一定の寒さが必要な果樹で長野県より南の県では、栽培の一番難しい果物と言っても過言ではないでしょう。本格的な栽培を目指すなら、土地柄があるので一度近くの技術者に訪ねてみてはどうでしょう」

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それはわたしにとっては挑戦でした
大塚さんは「昔から不可能と言われたスピードで果樹を育成し、出荷させることに挑戦し続けてきました。少しでも早く苗を育成し、美味しいサクランボを全国のみなさんへと、技術を磨いてきました。そのひとつの形がこの『サクランボ鉢』です。簡単な栽培技術であれば、ここまで苦労しなかったでしょう。難しいからこそ特許があり、今までやってきたことの証なのです」と振り返ります。

サクランボ鉢は、上のような理由から実をつけるのは難しいのですが、しかし庭へ植えて枯らしさえしなければ、毎年かわいらしい花をつけます。その花を楽しむ余裕をもって挑戦してみてはどうでしょうかと、大塚さんは教えてくれました。実際に、四国にお住まいの方で毎年実をつけることに成功した例もあるようです。

というわけで、毎年実をつけるサクランボ鉢に挑戦してみたい方や、詳しい栽培技術を知りたい方は、下記の大塚施設園芸ウェブサイト(2009年2月リニューアル)をチェックしてください。


サクランボの大塚施設園芸
〒381−0201
長野県上高井郡
小布施町大字小布施2166
電話 026−247−4144
大塚施設園芸ウェブサイト

より専門的に知りたいときは:

大塚さんによる「果樹の鉢と関連特許情報」

大塚さんによる「鉢苗木と栽培技術」

ショップ案内:

*「大塚施設園芸」見て・食べて・楽しむサクランボの鉢(おまけ付き)6000円をJAタウン「全農長野 僕らはおいしい応援団」で今すぐ購入する indexarrow.gif 全農長野 僕らはおいしい応援団「大塚施設園芸」

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