今年も残すところ1カ月、師走の12月に入りました。師走は、師匠が走るとか坊主が走るとか諸説あるようですが、どれも確定的な説はないようです。年末を過ごし、新年を迎える準備に誰しもが忙しくなる、ということなのでしょうか。
さて、県内の様子ですが、町なかの街路樹は葉をすべて落とし、歩く人は寒そうに体を丸め、すっかり冬といった装いになっています。県内の標高の高い山は、先週から白い雪帽子をかぶっていましたが、先週末の土曜日には、黒っぽい雲が広がって、県内各地で雪が降りました。この雪で、高速道路が事故のために渋滞になったり、車の流れが滞ったりと、少し混乱したようです。
雪が降ると子どもや動物は喜ぶ一方、長野県内に暮らす大人は、冬タイヤの準備や雪かきの準備などに追われたという方も多かったのではないでしょうか。県内在住の方は、当たり前のように自動車のタイヤを冬タイヤ(スタッドレス)に交換して冬を過ごすことが多いと思います。このタイヤ交換ですが、自分で交換する方、お店に行く方と、自動車の大きさなどによって交換方法がそれぞれですが、お店で交換する場合、交換時期を間違えると、店で4〜5時間待ちなんてこともあるそうです。信州の高速道路を走っていると、「冬の準備はお早めに」といった電光掲示板が出ていますが、「まさしく」といった週末となりました。
本格的な冬の訪れを伝える話題です。映画の舞台や観光地として知られる黒部ダムですが、本格的な冬を前に、大町市と富山県を結ぶ立山黒部アルペンルートが今年の営業を終えました。冬季間は閉鎖ということですが、来年は完成してから50周年を迎えるそうですので、来春の再開が待ち遠しいところです。
12月1日には、ざざ虫漁が解禁になりました。長野県の珍味といえば、ハチの子やイナゴの佃煮などをご存知の方も多いかと思いますが、こちらもそのひとつで、トビゲラやヘビトンボなどの幼虫のことを総称して『ざざ虫』と呼んでいます。名前の由来は、「ざーざー」した所に住んでいる虫、または、あるいは浅瀬(ざざ)にいる虫というのが語源と言われています。特に、上伊那地方で食べられてきたもので、昔の貴重な栄養源だと言う人もいます。県内の他の地域の人に聞いてみると、食べたことがない人も多いそうです。しょうゆなどで煮付けて食すとのことで、来年2月までが漁期となっています。
また、同日からは、県南部の飯田市にある遠山郷と呼ばれる旧上村と南信濃村で行われている霜月祭りが始まっています。国の重要無形民俗文化財に指定されているお祭りで、地区内の各神社で湯立て神楽が奉納されます。詳しい内容については、近々レポートさせていただきますのでお楽しみに!
・遠山郷観光協会
2日には諏訪湖畔で「諏訪を彩る光の祭典2012」が開幕しました。LEDの電飾が一斉に点灯され、来年の3月20日まで行われます。なかには、湖の水が凍ってせり上がる「御神渡り(おみわたり)」を模した電飾もあるそうです。高速道路のサービスエリアなどからもご覧になれるかもしれません。長期間にわたって開催されていますので、ぜひご覧くださいね。
詳しくは諏訪市のホームページをご覧ください。
県内の温泉が家庭用入浴剤として商品開発されました。この入浴剤は、長野市南部の松代温泉の炭酸ガスや黄金色のにごり湯を再現しており、県外の観光キャンペーンなどで配布されているそうです。源泉を忠実に再現すると家庭の風呂釜が壊れてしまうほど濃いものになるそうですが、もらえるチャンスがあれば試してみたいものですね。当温泉は、白いタオルの茶色が変わるほどの泉質ですので、いかにも温泉らしく体が温まりそうな感じがしますね。
・松代温泉国民宿舎「松代荘」
JA信州うえだの女性部で、料理講習会が行われました。こちらでは根菜を使った料理が作られたそうですが、根菜は体を温めるとよく耳にするほか、土の中の野菜や冬にできる野菜は体を温めるとも聞きますよね。このことについて明確な答えはないようですが、野菜に含まれるビタミンCやEが血行を良くする働きがあるそうです。一方、夏の野菜は水分が多く生で食べることも多いので、火照った体を冷ます効果があるとのことです。とにかく、旬のものを旬に食べること、寒い冬に鍋料理などの温かいものを食べることが体にいいことは、間違いなさそうですね。
農業の話題です。
長野県のJA全体で取り組んでいる「国際協力田運動」をご存知でしょうか。食料が不足しているアフリカの国へ送るためにお米を作る取り組みで、県内で毎年5トン以上のお米を送っています。これから県内各地で取り組まれたお米が集められ、アフリカへ向けての発送式が行われる予定です。JA上伊那あぐりスクール(農業体験教室)でも、収穫したお米を発送したそうです。国を超えて助け合う気持ちを大切にしたいものですね。
JAみなみ信州では、「市田柿」という干し柿の出荷が始まっています。先月末には、東京スカイツリー隣接の東京ソラマチにあるイタリアンレストランにて、市田柿を使った夕食会が開かれました。干し柿というとなんとなくお年寄りの好物というイメージが強いそうですが、市田柿は料理に使うなど、高級ドライフルーツとして売り出しているそうです。確かに、家庭で作る干し柿とはひと味もふた味も違うようです。リピーターの方もたくさんいらっしゃるとのこと、見かけたときはぜひ試してみてください。
JAタウンでも販売しておりますので興味のある方はこちらからどうぞ!
・全農長野 僕らはおいしい応援団「市田柿」
イベント情報です。
今週末の8日には、先週に引き続き、菅平高原スキー場や、北志賀高原一帯のスキー場で、スキー場開きが行われます。外の風が冷たいと、どうしても外出を避けてしまいがちな冬ですが、ウィンタースポーツで運動不足を解消するのも良いですよ。スキーやスノーボードの帰りに入る温泉の気持ちよさといったら……。何とも表現しがたいですが、至福の時と言えます。
・菅平高原スキー場
・北志賀高原観光協会
7日(金)から9日(日)の各日16時から21時頃まで、安曇野市の穂高神社とその周辺にて、孟宗竹でできた約2,500本の竹灯籠を点灯するイベントが行われます。点灯にも参加できるそうですので、LEDや電球のイルミネーションでは味わえない幻想的な冬の灯りを楽しめそうですね。
・安曇野市ホームページ
一日一日と布団から出るのが辛くなる季節ですが、年末に向けて1年の振り返りをし、心新たにを新しい年を迎えたいところです。大掃除や年賀状など、年越しの準備に忙しい日々が続きますが、ちょっとひと息入れたい時には、冬タイヤの準備を忘れずに信濃路へ足を向けてみてはいかがでしょう。ウィンタースポーツでにぎわう山々や心身の疲れを癒す温泉、温かい郷土料理が、みなさまのお越しをお待ちしています。
[巻頭のカバー写真]空気の澄んだ安曇野と雪をかぶった北アルプスです。まだ青いところもありますが、冬本番になると雪化粧をした真っ白な山も魅力的です。

*コラムはしばらくの間お休みさせていただきます。