先週から今週にかけては冷え込みの激しい日が続きました。信州のこの時期は、最低気温が−10度を超すことも珍しくありません。暦を見ても今が最も寒い頃なのです。こうした冷え込みのことを、北信の方言では「カンジル」といい、東信・中信・南信では「シミル」と表現します。豪雪地帯の県北部では雪に次ぐ雪。思わず「もういいよ」と呟いてしまうほどたくさんの雪が降ったところもありました。北部では雪による事故で長時間高速道路が通行止めになるなど大きな影響も出ています。寒さも厳しく、車のフロントガラスに張る氷もいつもより厚くて、なかなか溶けません。道行く人はみな肩をすぼめて歩き、会話の糸口も「寒いね〜」ではじまることの多い一週間でした。一転、昨日(19日)は久しぶりに寒さが緩みお日様の光が終日降り注いだ一日。この機会に布団を干す家庭も多かったでしょう。今夜には空気が入れ替わり、週末にはまた雪の予報が出ています。気象庁では、今後暖冬傾向となり北部の降雪量も例年より少なくなると予想していますが、本気にしてよろしいのでしょうか?
リンゴ、梨、ブドウなど、県内の果樹農家では、すでに剪定作業がはじまっています。翌年度の生産にとってとても重要な作業とされる剪定。JA松本ハイランドでは、剪定講習会が盛んに行われ、生産者同士の情報交換の場にもなっています。
上田市のJA信州うえだでは、今年からリンゴの雪中保存を本格的に開始しました。上田市長によって「菅平雪中りんご」と名づけられたこのリンゴは、約8500個が保存されており、3月下旬〜4月にかけて天候をみながら掘り出されるそうです。
大町市常盤の農産物直売所「かたくり」では、冬の厳しい寒さを生かした伝統食品「凍り餅(もち)」作りが最盛期を迎えました。白餅、ヨモギ、シソの3種類で、約1800キロのもち米を使い、5000連の生産を予定しています。この直売所は冬期間休業後、3月中旬から再オープンし、凍り餅は10個1連1000円(予約は900円)で販売予定です。ご興味のある方は、JA大北ときわ支所(電話0261−22−0209)までどうぞ。
13日には、飢えに苦しむ西アフリカのマリ共和国へお米を送ろうと、JA長野県グループなどが作ったお米、計10トンの発送式が開かれました。県内各地の小・中学校が「国際協力田米」として作ったお米で、米袋には子どもたちからのメッセージも記載されました。このお米でマリ共和国の人たちが少しでも笑顔になってくれれば嬉しいですね。
諏訪大社下社春宮で14日の夜から翌15日早朝にかけて恒例の「筒粥(つつがゆ)神事」が行われました。束にしたヨシの茎44本を小豆入りの米と炊き、一本ずつの茎に入ったかゆの状態を見て、稲、野菜など43種類の農作物と世相を占うもので、「大豆」「ジャガイモ」など7品目が「上の上」で豊作、また世相を占う「世の中」では「五分」を満点とすると、「過去10年で最低」とされた昨年の「三分五厘」をさらに下回って、今年は「三分四厘」でした。過去最低のさらに下。さて今年はいったいどのような年になるのでしょうか。
冷え込みが強まった15日、諏訪湖では、この冬初めて湖面の大部分が結氷しました。御神渡りがあらわれるかどうかはここ数日間の冷え込み次第だとか。昨年もこの時期に大部分が結氷したのですが、冷え込みが続かないで、御神渡りの見られない「明けの海」に終わっています。もっともっと冷えてほしいような、ほしくないような。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。雪の朝、時刻は午前7時、1月の長野県北部・野沢温泉村の豪雪ぶりをあらわす一枚です。前夜に行われた「道祖神祭り」の会場へ足を運ぶ途中、しきりに降る雪にすっかり埋もれてしまった車を目撃しました。前日15日の積雪量は午後3時の時点で185センチ、16日の降雪量は14センチと観測されていました。朝から止むことなく降る雪で、おそらく190センチは積もっていたのでしょうか。雪国の厳しさを感じられるでしょうか。
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●20日は二十四節気のひとつ「大寒(たいかん)」です。あと15日で立春。暦のうえでは春はもう目前ではありますが、これからの2週間がおそらく一年で最も寒さの厳しい頃。江戸時代に書かれた暦便覧には「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」とあります。各地で一年の最低気温が記録されるのもこの時期です。
火祭りの夜が新月でしたから、23日は早くも上弦の月。今月は31日が満月で、正月元旦の日が満月でしたから、1月は1ヵ月に2回満月があることになります。このように1ヵ月のうちに2度満月があることは非常に珍しいこととされていて、英語圏の人たちは月にある2度目の満月を「ブルー・ムーン」と呼んでいます。そしてそれは「めったにないこと」を意味する言葉でもあります。普通は一年に12回満月を拝めますが、今年は13回満月があるのです。
25日は日本最低気温の日。1902年(明治35年)に、北海道の旭川地方気象台で−41.0℃という日本の最低気温を記録したことで、これより寒さの厳しい日がないことから、この日が日本が一番寒かった日になりました。長野県内の歴代最低気温を調べてみましたら、長野市が−17.0℃、1934年(昭和9年)1月24日、松本市が−20.7℃、1954年(昭和29年)1月27日、飯田市が−16.5℃、1954年(昭和29年)1月27日とありました。見事なまでにこの時期に重なっています。あとたった15日我慢すれば、少なくとも暦のうえでは春になり、南国からは春の便りも届くころとなって、気持ちも明るくなります。
また25日は、信州も日本も一番寒くなるかもしれない日だからこそ、ほかほかに暖まってもらおうと、全国的に中華まんの日に設定されています。信州ではやはり、伝説になった戸狩温泉特産のりんご豚まんできまりですよ。今週のプレゼントにもなっています。豚肉は地元のみゆきポーク、野菜は地元のものを中心に、国産小麦粉を使用して、ふっくら、しっとりとした皮をはじめ、すべて戸狩温泉の民宿のお母さんたちがひとつひとつ丁寧に手作りしています。熱々に蒸しておめしあがりを!
こんなに寒くて冷え込みの厳しい冬の時期には、やはり静まりかえった温泉にゆっくり浸かるのが長野県ならではの最高の冬の楽しみのひとつです。それに「寒の湯はよく効く」とも言われます。昔の農家の人たちは仕事で疲れた体を休めるために農閑期のこの時期、米や味噌や野菜を背負って近くの温泉場に湯治に出かけ、だいたい二週間ぐらい宿泊するのが一般的な健康法だったそうです。現代ではそうも行きませんが、それでも疲れた体と頭と心を癒すために温泉に通うのは大きな楽しみになっています。温泉の話は当ブログマガジンの「おすすめ信州の日帰り温泉で心の疲れを癒す」という昨年の記事も参考に。
冬に車を運転する場合もありますから、ウインタードライブに役立つちょっとした知恵を。積もった雪に入り込んでタイヤがから滑りして脱出できないとき、乾いた砂を車輪の下にまいたりします。砂がないときには、ホームセンターなどで売っている猫のおしっこ用の砂でもいいです。でもそうしたものがなくても、運転席の足下に敷かれているカーマットを、前輪もしくは後輪のタイヤのところにはさむことで窮地を脱出できることがあります。発進はあくまでもゆっくりとしてください。これは覚えておくと役に立つかもしれません。また、アルコールに酩酊した状態の運転は厳禁ですが、冬の運転で気をつけなくてはならないことに、風邪やインフルエンザに罹ったかなと思われるときの
運転も絶対にしてはいけないということがあります。発熱しているときの人間の反応能力は、アルコール酩酊時の6倍以上になっていると報告もあるぐらいです。酒酔い運転と並んで風邪をひいたりインフルエンザに罹ったときの運転もしてはなりません。
長野県の冬の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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