寒い日が戻ってきました。朝、車に入ると、ひんやりしたハンドルを握るのが辛く感じます。人々が通勤する表情からは、厳しい信州の朝の冷え込みをうかがわせます。昨日の雨は夕方になるにつれ、体を冷やしました。本日の長野県内は、曇りまたは晴れとなっており、北部の山沿いは雪や雨の降っている所もあります。天気は回復に向かっているのかしら。雪は市街地ではまだ積もることはないかもしれませんが、山間部ではノーマルタイヤでは危険な状態です。長野県ではスタッドレスタイヤが必要な季節になっています。自動車で信州を訪れる場合はご注意ください。
あっと言う間に日の暮れる今、窓から見える明かりや店先のイルミネーションが暖かく感じます。11月も後半に入り、年末行事の準備があちらこちらでひらかれています。14日からは長野県安曇野市にある国営アルプスあずみの公園でも「森の光物語」と題し、クリスマスイルミネーションイベントがスタート。昨年よりも1週間ほど早い点灯開始です。こちらは美しい光景を求めて、恋人たちなど多くの人でにぎわいを見せているようです。
ちまたでは「クリスマスケーキ予約開始」の文字もちらほら見うけるようになりました。長野市内のお店では、店員さんたちがクリスマスのイルミネーションの飾りつけを楽しそうに行っています。これからしばらくクリスマス前のワクワクした空気がただようのでしょうね。
気持ちよく晴れた15日、日曜日は「七五三」でした。長野市内では、着物を着た子どもたちが両親に連れられて、真新しい着物を身にまとい、男の子は誇らしげに、女の子はおすましをして歩く姿が見られました。「七五三」といえば、お馴染みなのは「千歳飴」。最近、久しく食べていませんが、子どもの頃は大きくてなが〜い、この千歳飴が食べられるのがすごく嬉しかった記憶があります。松本市にある創業150年になる「松本新橋屋飴店」の千歳飴には砂糖が使われておらず、「米飴」という炊いた米に麦芽と水を入れて作る、昔ながらの甘味料を使っています。「米飴」は、最近注目のマクロビオティックという玄米や野菜、乾物を中心とする食事法の中で甘味としてしばしば使われる材料です。これなら健康的に甘いお菓子が食べられそうです。
一昨日、取材で訪れた長野県飯山市で「やぐら」がそびえたつ姿をあちこちで目撃しました。雪が降る前の11月中に、正月の『どんど焼き』に使うこの「やぐら」を、この時期に「かや」や「ススキ」で作っておくのだそうです。この光景が見られるのはこの地域特有です。大きいものを「爺(じじ)」、小さいものを「婆(ばば)」と呼び、ふたつ並んだ光景はまるで仲良し夫婦のようでもあります。また、民家の庭木には「雪よけ」がしてありました。頑丈に作られており、その姿は立派です。山間部では当たり前の光景ですが、県内でも雪の少ない地方出身の人からすれば、とても珍しい光景です。各家庭の軒先には、干し柿や大根がつるされている光景が多く見られました。遠目からはまだ身がピチピチしているように見えて、まだまだ乾燥が足りない様子。保存食となるまでには、時間がかかりそうです。
通りがかりに飯山市にある農産物直売所をのぞくと、店頭に野沢菜が積まれていました(写真)。この日は脇に抱えて持ち帰るお客さんの姿もたくさん。信州人もそれ以外の方も、楽しみにしている野沢菜の季節です。来週は野沢菜発祥の地、長野県下高井郡野沢温泉から、温泉で野沢菜洗いと野沢菜漬けをする様子をお届けしますので、どうぞお楽しみに。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。今週月曜日の午後に見つけたカラフルなカボチャたちです。長野県飯山市にある道の駅『花の里』の直売所の店先に並べられていました。冬を目前にした今の時期の直売所には根菜類がたくさんそろっています。カボチャは大きさも色もバラバラ。でもそこには選ぶ楽しさがありました。
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●18日は今年がはじまって322日目。今年も余すところ43日となりました。昨夜というよりは今朝の朝暗いうちから、23日頃まで、しし座流星群が深夜の空に現れると予想されています。月も新月を過ぎた直後で、月明かりの影響がまったくない最高の条件で、流星群を見ることができるかもしれません。下の動画は八ヶ岳山麓で撮影された「2001年しし座流星群(八ヶ岳蓄積カメラ)」の様子です。4時間半ほどを33秒で見せてくれます。今年はしし座流星群の当たり年だともいわれていますので、期待はできそうです。
NASAの流星体環境室(Meteoroid Environments Office)で室長を務めるビル・クック氏は「しし座流星群はほかの流星群と同様、高価な光学望遠鏡がなくても観測できる。むしろ何も使わない方が、視野が広くなって都合が良い。温かいココアや毛布を用意し、仰向けになって夜空を見上げよう」と語っていました。午前1〜3時に北東の地平線から姿を現す“しし座”の方角に注目です。11月も後半になると、夜はとても寒くなります。信州では星がよく見える分だけ寒さもきついです。じっとしていると予想以上に冷え込むので、防寒は万全に。
19日は信濃の国が生んだ俳人小林一茶が没した日。水内郡柏原村(現在の信濃町)生まれで、柏原の国道18号線沿いに「国史跡小林一茶旧宅」が復元されてあります。昭和32(1957)年国史跡に指定されました。一茶の墓の近くに一茶のふるさと・一茶記念館が建てられています。一茶は生涯に約20000の俳句を残したといいます。今の季節の句としては
初雪やとは云ながら寝る思案
霜おくやふとんの上の天の川
などがあります。毎年一茶の命日の19日には、一茶を偲んで、法要・俳句大会・そば会などが催されています。
20日は国連が定めた世界こどもの日(せかいこどものひ、Universal Children's Day)ですが、日本には5月5日があってその日にこどもの日を振り当てているために20日にはイベントはありません。年に2回こどもの日があってもいいと思うのですが。この日には子どもの権利宣言の政府訳と民間訳のふたつの翻訳を読み比べてみるのもいいでしょう。
22日は天界を旅する太陽が射手座に入る日です。またこの日は二十四節気のひとつ「小雪(しょうせつ)」でもあり、万物が冷える季節もさらに深まります。暦便覧には「冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへ也」と記され、木の葉が落ちて、平地にも雪が舞い散りはじめますと伝えています。
さらにこの22日はまた長野県りんごの日! みなさんは今年のサンふじはもう召しあがっていますか? 長野県りんごの日は1999年にJA長野県経済連(現在のJA全農長野)などが、長野県産りんごの主力品種が「ふじ」であることから「いい(11)ふじ(22)」の語呂合せと、「いい(11)ふうふ(22)」(いい夫婦→アダムとイブ→りんご)の連想からだとか。“いい夫婦の日には、大切なあの人へ、「ありがとう」と「りんご」を贈ろう”照れくさい時は、りんごをひとつ、大切なあの人の隣へさりげなく置いてみてはいかがでしょうか。信州大好き!
23日は勤労感謝の日。昔は新嘗祭(にいなめさい)と呼ばれた日です。日本の建国以来続く、天と地の神々に1年の恵みを感謝する祭事が行われる日。南信州の下條村ではこの日文化の祭典が開かれ、江戸の天保の頃から300年以上の歴史があって、村の無形民俗文化財に指定されている下條歌舞伎の定期公演がおこなわれます。定期公演は例年、中学生によるものと、村の歌舞伎保存会によるものの2本立て。歌舞伎のもうひとつの流れを体験できます。23日はまた長野市で「第104回 長野えびす講 煙火大会」が開催されます。全国でも珍しい11月の花火大会です! 花火評論家の間では「一度はこの花火大会を見ておかないと」といわしめるほどのイベント。晩秋の信州の澄んだ夜空に上がる花火を鑑賞しに、暖かな衣服を着込み、温かい飲み物を持参してぜひお越し下さい。
長野県の秋の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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