新信州暦 今年の信州はマツタケが豊作です

fall.jpg10月がやってきました。信州はすっかり秋模様です。長野市の街路樹は赤く色づきはじめ、空には秋らしい筋雲が泳いでいます。朝窓を開けると、ひんやりと部屋に入り込む涼しい風は、すっきりとした目覚めをもたらしてくれます。空気にも夏とは違って、すがすがしい香りがします。先日の夜、家路を急いでいると、どこからかキンモクセイが甘く香ってきました。街の料理店では店先のメニュー看板に「秋の味覚」を代表する秋刀魚やキノコなどの農産物の表示がずらりと並びます。今、信州の地は、秋らしい“香り”で包まれています。

farmersmarket.jpg野菜や果実をファーマーズマーケットに買いに行くのも楽しみな季節。直売所の店頭はリンゴやブドウ、キノコやサトイモ、カボチャにハクサイなど、秋の味覚でいっぱいです。先週もお伝えしましたが、不作と騒がれていたマツタケが、一転して、豊作となる見込みです! うれしいではありませんか。この奇跡的なV字回復の理由は9月下旬の気温の冷え込みと適度な雨だそうで、matsutake.jpg現在の収穫量も不作だった昨年の量をすでに上回ってきているとか。山の神様にお礼を言わなくては! 収穫は11月10日ごろまで期待できるようです。マツタケ好きには朗報ですね。

nosmoke.jpg10月1日にはタバコの大幅な値上がありました。一箱60円から140円の値上げとなり、これが原因で販売店への客足も遠のいているようです。でも周囲からは「まとめ買いをした」「在庫がなくなったら禁煙する」などという弱気な声も聞こえます。今回の値上げをきっかけに多くの人が禁煙に踏みきり、受動喫煙の害も減って、より健康的で前向きな暮らしを満喫できる人が増えることを祈りたいものです。

apples.jpgJAからの話題をいくつか。JA上伊那では6月初めに放牧し、約4カ月間、標高1,700メートルの牧場でのんびりと過ごした牛たちが、下牧(放牧から牛舎に戻す)作業がおこなわれました。牛の放牧は妊娠に耐える足腰をつくることと、夏場の農家の労務軽減、自然交配によるコスト削減を目的に行われているそうです。これから牛たちは冬を乗り切り、子どもを生むための準備にはいります。また、先週当ウェブマガジンでもお知らせしましたが、JA上伊那やJAみなみ信州産の梨の南水がおいしい時期を迎えました。さらにJA須高からは長野県オリジナルりんごの「秋映(あきばえ)」の出荷がピークを迎えているという情報も入っています。秋映の特徴は濃い紅色、甘味と酸味のバランスの良さ。まだ召しあがったことのない方は、しっかりと色づいた紅色のリンゴ・秋映を見かけたらぜひ試してみてください。濃厚な食味が楽しめます。出荷は今月下旬まで。そうそうインターネットモールである全農長野「僕らはおいしい応援団」でも、信州リンゴ・シナノスイートの予約販売がもうはじまっています。

outdoor_gears.jpg秋は食・行楽、野外活動と、自然の恵みをもっとも感じられる時期。野山にお出かけになる方も多くいらっしゃるでしょう。しかし自然に足を踏み入れるときにはご注意ください。先日も飯田市の登山道でキイロスズメバチと見られるハチに登山客が襲われるという報告がありました。北信州の飯綱高原のマラソン大会でランナー33人が同じくキイロスズメバチと見られるハチに襲われ、イベントが中止になるなど一時騒然となりました。秋はスズメバチがあちこちに巣を作る季節です。ハチは黒色で動くものを攻撃します。ハチの巣を襲いにくるクマへの防衛本能だそうです。黒い服装は避け、頭には帽子をかぶり、ハチを刺激するような匂いのある化粧品は避けるようにしましょう。秋の自然は恵みでもあると同時に、他の命とその恵みを分けあうときでもあります。ぜひ信州の山や高原で散策をされる際には、十分な備えをして、自然をよく観察し、万全な対策を心がけてください。秋の信州は食に行楽にお越しいただいて間違いなしの楽しさがあります。小春日和の信州へ、おいしい農畜産物を味わいに、そして澄んだ空気を吸いに、いらしてください♪

top_1006_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。「はぜ掛け」された稲穂です。先週末に収穫されました。夕方、北信州の飯綱町に訪れると、道路の両側にある田んぼには収穫後の稲穂が日干しされていました。木や縄を上手く使って、刈り取った稲穂を束ねて逆さまに吊し、お日様の下で自然乾燥させることで、お米は一段とおいしくなるのです。


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ヨーロッパは今年千年に一度の寒い冬を迎えるだろうという予測が出ています。日本列島の各地で熊が山から降りてきたり目撃されることが増えていますが、これもまた今年の冬がきびしくなることを伝えているという説もあります。夏の終わった信州は急速に秋を深め、まもなく、「リンゴが赤くなると医者が青くなる」と言われる本格的なリンゴの季節になります。

dc_logo.gifさて、今月から本格的に「信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)」も展開されています。全国のJR6社と長野県の観光関係者や市町村等が一体となって、旅の目的地を信州とする誘客活動を行うものです。10月に入って最初の休日は、各地でさまざまなイベントが行われました。今週末から来週にかけて行われるイベントで注目はJAみなみ信州が主催する「南信州・産直アウトレットフェスティバル」でしょうか。開催日は10月7日(木)から11日(祝・月)までの4日間。場所は飯田市にある直売所南信州およりてファーム。南信州各地域の農家が自慢の物品を持ち寄り販売します。販売予定の品物はリンゴ、梨、そして野菜、漬物などの加工品、味噌、お蕎麦、和菓子、半生菓子など地元の名産品など。規格外品のアウトレット商品も多数そろえています。他にも日替わりの特売やイベントなど盛りだくさんの内容。ぜひお越し下さい。

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8日は新月。月の満ち欠けを基準にする旧暦では、この日から9月長月(ながつき)がはじまります。またこの日は二十四節気のひとつ「寒露(かんろ)」です。冷気が加わって草花に冷たい露が宿るという意味です。秋の長雨が終わり、秋も深まりはじめる頃です。暦便覧に「陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也」とあって、冷たい露の結ぶ頃となり、秋が本番になることを示しています。もみじの紅葉もはじまりますね。そろそろ信州の稲刈りも終盤を迎えました。

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kinoko.jpg9日と10日は毎年大好評の東伊那きのこ祭りです。JA上伊那東伊那支所にたっぷりの「きのこ」が用意され、みなさんのご来場をお待ちしています。豊富なマツタケをはじめ、きのこをぜいたくに使った「きのこ宴会」(マツタケすき焼き、お吸い物、きのこおにぎりなど。要予約。先着200人・料金はお一人5,000円。税込・飲み物代別)もあります。お申込み・お問合せはJA上伊那東伊那支所 きのこ祭実行委員会 電話0265−82−4002まで。

sky.jpg10月10日は「天天」であることから「空を見る日」です。爽やかで美しい信州の空を見ようと、長野県の文化人グループが発案して2002年に設けられた日です。その当時の趣意書に「山、川、緑に恵まれ、自然あふれる信州の美しい空を、しばし立ち止まって眺めてみませんか? 普段意識せず私たちの頭上に広がる空は日々刻々と色や深みを変え、見る者を元気づけ、ある時は落ち込ませ、またある時は喜ばせてくれる存在です。そんな空を10月10日10時10分に見上げてみませんか?」とあります。信州に縁のあるみなさんも、この日が晴れていたらぜひ空を見あげてください。その空は、アルプスをはじめとするいくつもの名峰が支えている信州の空とつながっています。10日はまた「10」に関係するイベントが世界でも行われます。この日は「国際メートル法の日」なのです。10ミリが1センチで、100センチが1メートル、1000メートルが1キロとすべてが10の倍数から成立しています。metric_week.jpgメートル法は、18世紀末のフランスにおいて、世界で共通に使える統一された単位制度の確立を目指して制定されたとウィキペディアに記されています。わたしたちにはメートル法はあたりまえになっていますが、世界にはメートル法を使っていない国が3つあって、ひとつはアメリカです。これはたいていのみなさんがご存じですが、残りの2つの国は知らない人が多いようです。正解はリベリアとミャンマーです。

Columbusday.jpg12日はコロンブスの日です。1492年のこの日、大西洋で迷子になりかけていたクリストファー・コロンブスの率いるスペイン艦隊がバハマ諸島の小島に到達しました。コロンブスは西周りの航海でジパング(日本)を目指していて、到着したのは東インドだと確信していました。この日はまたアメリカ大陸の先住民がはじめて西洋人と出会って、数千年続いていた夢の時間が終わってしまった日でもあります。

indexarrow.gif 長野県の秋の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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