新信州暦 夜にはストーブにまた火をいれて

farmer_2.jpg長野地方気象台が26日に今後2週間程度気温が平年より低い状態が続くとして、農産物の管理に注意を呼びかけました。例年だと5月中旬くらいまで霜などの心配をしますが、今年は2週間ほど心配な期間が長くなっています。気象庁からは、今年は冷夏だとの予想もだされ、農業にとっても心配な夏になりそうです。

stove.jpg今週の長野県は天候が悪く、田植えが終わった田んぼや定植がすんだ畑が少しくすんで見える一週間となりました。曇りのときが多く、山にはいつも雲がかかっています。28日には長野では最低気温が8度となって、肌寒いというよりも単純に寒さを感じた朝晩が多かったため、片付けようかと迷っていた掛け布団を取り出して寝る夜が続きました。acacia.jpg標高の高い地域に住んでいる人たちはコタツを出したりストーブに火をいれたりしたことでしょう。それでも山の雰囲気は少しずつ変わりはじめ、そこかしこに黄色い花が咲いています。アカシヤの花が満開を迎えているのです。桜のように目立つ花ではありませんが、濃い緑に変わっていく山の中で、哀愁を漂わせています。

baramatsuri.jpg29日、中野市の一本木公園と、坂城町のさかき千曲川バラ公園でバラ祭りがはじまりました。中野市の公園の会場には、650種、1900株が植えられていています。坂城町のバラ公園では約1万平方メートルの敷地に250種、計2000株が植えられています。どちらも最近の低温が影響し、6月初旬頃見ごろを迎えます。一面のバラの景色を見ようと多くの方が訪れているそうです。バラは花屋さんでは少々高めのお花ですが、その花に囲まれるぜいたくもたまには良いかもしれません。坂城町のバラ公園のバラ祭りは今月13日まで、中野市一本木公園は20日まで。

aglecture.jpg夏至が近づくにつれて畑の農作業も忙しくなりました。野菜などいろいろな品目では、高品質の農産物を出荷するための勉強会も各地で開かれています。JA須高ではサトイモの定植について、土寄せや芽かきの方法などについての講習会が、JA志賀高原では、りんごの粗摘果作業について講習が行われました。4月下旬にりんごの摘花作業を見ましたが、今年は霜の影響で実がならなくなってしまっている可能性があるため、通常真ん中の花だけ1輪を残しますが、今回は、周りの元気な花をもうひとつ残す方法を採用していました。実がなるころに更に一つに絞るということです。こうしておてんとうさまに負けないよう例年より多く手をかけ、作業に工夫をしておいしい農産物を育てています。

taue.jpg子どもたちや消費者のみなさんを対象とした農作業体験が各地で本格化しています。松本市では小学生がジュース用トマトを植え、これからジュースになる過程などの見学を行うそうです。そのまま食べるトマトが植えてあるのはよく畑でみかけますが、加工用のトマトを子ども達が栽培することは興味深いです。また、県下各地では消費者との交流を目的に、田植え作業が行われています。機械ではなく手で植えるなど、農業の苦労や大切さを知ってもらおうと取り組んでいます。農家だけでなくて、食べる人、次代を担う人が農業に携わることが、大事だと改めて考えさせられます。県下では、さくらんぼ狩りがそろそろはじまりますし、伊那市みはらしファームでは今ならアスパラ狩りも体験できます。自分で収穫して食べる農産物はおいしさも格別です。是非遊びに行ってみてください。

top_0602_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。繁る葉をどかしてみると、そこには土にまみれた真っ赤なイチゴが。長野市内のある家の庭の畑で、イチゴがいい色付きになっていました。自然のなかで育つイチゴは今がまさしく旬。酸味と甘味がギュっと詰まったイチゴの美味しさはモズもよく知っていて、しょっちゅう食べに来るのですが、人間も網を張って、なんとか食べられないように必死に防戦します。


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mountaineering.gif南アルプスの赤石岳の残雪も残り少なくなると、山好きにはたまらない登山シーズンがはじまります。2日の日には南アルプスの登山口開山式が大鹿村の大西公園で開かれ、シーズン期間中の無事故の祈願が行われます。

club_img.gif4日がローメンの日だということを知っていますか? いやそもそもローメンとはなにかを知っていますか? ローメンは焼きそばのようで焼きそばでなく、ラーメンのようでラーメンでない、第3の中華麺で、伊那地方の名物です。詳しくはローメンこそ南信州は伊那の新しい郷土料理をお読みください。ローメンに使う中華ソバには蒸した麺を使うことから、「64」を「蒸し」と読んで6月4日がローメンの日となりました。

unep_wed_logo.png5日は下弦の月。また国連がきめた世界環境デーの日です。1972年(昭和47年)のこの日、ストックホルムで開催された国連人間環境会議が人類のために人間環境の保全と改善を目標とする「人間環境宣言」を採択したことを記念して設けられました。地球に生きている世界中の人たちに環境問題への意識を高めて、この惑星を守護する行動に自発的に参加してもらおうとするもの。環境がわたしたちの問題とされてもう38年たちますが、地球は住みよくなったのでしょうか。5日の夕方6時半から、飯田市では「でんきを消して、スローな夜を」提唱する「竹宵まつり 100万人のキャンドルナイト in 南信州」がおこなわれます。今年は昼神温泉郷が新たにキャンドルナイトに加わりさまざまなイベントが行われると言うことです。

Barley.jpg6日は二十四節気のひとつ芒種(ぼうしゅ)。暦便覧には「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時也」とあるように、芒(のぎ)のある穀物を播く時期という意味です。芒(のぎ)とは、稲や麦などの穂先についている針のような固い毛のことで、稲作においては田植えの季節であり、麦作においては刈り入れの季節でもあります。ご存じのように、現在の田植えは大分早まっていて、ほとんどが先月末までに終わっています。梅雨入りの声がときどき天気予報でも聞かれるころです。

Walter_Weston.jpgこの日、上高地では第63回ウェストン祭の開催。イギリス人宣教師で日本アルプスを初めて踏破した日本における近代登山の祖、ウェルター・ウェストンを偲ぶ記念の山行きが早朝から。翌7日には上高地の梓川河畔にあるウェストン碑の前で献花、記念講演、合唱等が行われます。

volcano.jpg今春の天候が、冷夏に見舞われた1980年と93年によく似ていると気象研究者たちが言いはじめています。農業新聞は「強い寒気が入り込み寒暖差の大きい天候になったことや、晩霜による農作物被害や4月下旬の降雪など共通点が多い。同月に起きたアイスランドの火山噴火でガスやちりが大気中に浮遊し、低温や日照不足への影響も懸念されるという」と記しています。しかも5月31日にはカムチャツカ半島にある火山が大きな噴火をし、噴煙を10キロの高さにまで噴き上げました。オホーツク海からカムチャツカ半島にかけての上空 127km × 93km の範囲に巨大な噴煙のかたまりが漂っているようで天候への影響が懸念されます。カムチャツカ半島では現在6つの火山が活動を活発化させています。4月に雪が降ったり、桜の開花が遅く、春にあまり温度が上がらない年は、農家は農作物の日々の管理に神経をすり減らします。低温情報や水の管理、病害虫の発生見通しなどなどのいろいろな情報に即対応できる体制を取らなくてはならないからです。climatechange.gif先週、オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第16回で、岩垂氏はてんやわんやの慌ただしさの中で「こんな時だからこそ、良い果実を的確に選別して残していく摘果作業が重要」と記しました。今年の夏の気象はどのように移り変わるのでしょうか? 気象庁は数日前「関東甲信 予想される向こう3か月の天候」として6月、7月、8月とも「平年に比べ曇りや雨の日が多い」と発表しました。生産者も消費者も喜ぶ秋が来てほしいと祈るばかりです。


indexarrow.gif 長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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