今年も残すところあと半月。街を行き交う人々はせわしそうです。しかしこれは暮れが押し迫っているからばかりでなく、信州の場合、やはり寒さのせいもあるでしょう。強い寒気が流れ込み、冬型の気圧配置が続いています。このため、山は荒れた天気となり、北部を中心に大雪となるおそれがありますと、気象台が告げています。
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先週は暖かく過ごしやすい日もありましたが、いよいよ今週から天気もぐずつき、月曜日の夕方、長野市近郊では雪がチラチラと降りだし、山沿いに住む職場の人々は、終業時間と共に家路へと急ぎました。翌朝長野市内から見える周囲の山々はうっすらと綿帽子を被っていました。人々が吐く息は白く、手袋をしても指の先がかじかむ程。今週の県北部の予報はずっと雪だるまのマーク。週の後半はさらに寒さも厳しくなるとの予報です。
身を切るようなこの寒さの中、来週に迫ったクリスマスのトレードマークともいえるサンタクロースやツリーなどの可愛らしいデザインが施されたバスが街中を走り、なんとなく慌しい気持ちもひととき心を和ませてくれてはいます。夜が最も長い時期で、まもなく冬至です。
街中の木々はすっかりと葉を落として丸裸となって寒々しい景色ですが、家の庭ではお正月の花きでもあるナンテン(南天)が、真っ赤な実をたわわに付けて艶やかな光景をみせています。
ちなみにこのナンテン、県南部の飯田市に本所を構えるJAみなみ信州の特産品で、全国的にも収量・出荷量が安定しており、今月20日まで中京、大阪、東京方面へと出荷されるため、今がもっとも忙しい出荷のピークを迎えています。またこの時期県内ではお正月に向けてのしめ縄づくりが各地で行われ、お年寄りが子供たちと一緒にしめ縄を作りながら、その方法を教える微笑ましい文化の伝承の図が見られます。
リンゴの産地である県北部の上水内郡飯綱町を車で走っていると、周囲のリンゴ畑は見事な程にその実をすっかりと取り去っていました。それにしても今年の長野県産のリンゴ、美味しいと感じませんか? 「サンふじ」はおいしさの目印となる蜜がたっぷりと入っていて、どれを食べてもハズレ無しの美味しさ。『こんなに美味しいのなら、もう少し買っておこう』とついつい欲をだしてしまいましたが、「まだ長野県産のリンゴを口にしていないわ」という貴方は是非、信州のお友達などに頼んで送ってもらってください。すっきりとした甘さでシャキッとした歯応えのリンゴは、一切れ、もう一切れと手が止まりませんよ。
寒さが厳しくなるこの時期、県南部の諏訪地方では特産の角寒天づくりがはじまりました。生寒天が厳冬期の屋外に干される姿はこの地域の風物詩。日中の晴天と夜間の寒気を利用して自然乾燥法によりおよそ2週間凍結・融解・乾燥を繰り返し、寒天づくりは2月下旬まで続きます。
長引く不況に伴う畜産酪農業を支援しようと、先週の7〜11日に長野市のJA長野県ビル内において”和牛フェア”が行われました。お昼時、和牛を使ったこのイベントのメニューはカルビ丼、ハンバーグ、ビーフシチュー、ステーキ丼、牛丼が、日替わりで1日100食限定販売。毎回好評で完売となり、会場は美味しいお肉を頬張る笑顔が溢れて大勢の人で賑わいました。来週はクリスマスです。信州のおいしい牛肉をパーティーメニューに加えてみませんか。
県北部・山ノ内町にあって古い温泉の町の雰囲気を堪能できる渋温泉旅館では、アンケートに答えて温泉のイメージキャラクターである「しぶざるくん」のオリジナルマスコットや缶バッチがもらえるプレゼント企画を行っています。手には温泉まんじゅうや手ぬぐい、風呂桶などをもったユニークなしぶざるくんはおよそ20種類。詳しくは組合の公式ホームページをご覧下さい。
このたび県東部JA佐久浅間(本所=佐久市)の「きたやつハム工場」が製造するベーコンを使用したサンドイッチを、コンビニエンスストアのサークルKサンクスが長野県内の店舗で販売を開始しました。八ヶ岳の湧き水を使い、増量剤や合成着色料、合成保存料を使わないこのこだわりの商品は、「ベーコンエッグサンド」として販売されてます。なおこのサンドイッチは21日までの限定販売です。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。「浅間山」です。昨日の午前中、長野県佐久市平賀にある佐久市立佐久城山小学校付近で撮影しました。浅間山をどの位置から見れば美しいのかは、人それぞれ違いますが、この場所もまた「浅間山が美しく見える」スポットとして、周辺に暮らす人たちから親しまれています。今年の初冠雪は11月2日ごろでした。いま、浅間山はすっかり雪化粧を終え、白い衣装をまとって、美しくそびえたっています。
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●16日は今年がはじまって350日目になります。お気をたしかに持ってください、今年はあと15日しかありませんよ。また今日は新月。明日から見えはじめる月は、ちょうど2010年の1月1日に満月を迎えることになる来年に続く月なのです。この月を、1年の最後の月と見るよりは、やはりつぎの年の最初の月と見る方が良いかもしれません。
20日は「果ての二十日」といわれる忌み日です。外出や仕事をしてはいけない日とされた理由は、江戸時代の京都で毎年12月20日が囚人たちが刑場で斬首になる日だったからです。そのために暮れの20日には外に出ないという習慣が広まりました。
この20日から23日までが、昼が最も短くなる4日間とされています。長野市では昼の時間が9時間40分しかありません。そして、天界の地図で太陽が山羊座にはいる22日が冬至。冬至の日は、夏至の日と並んで、太陽が地球の赤道から最も遠いところに到達する瞬間です。12月のこの瞬間のことを太陽が冬の家に入るとき、6月の夏至の瞬間を太陽が夏の家に入るときと表現する民族もいます。今年の冬至は22日の午前3時がその瞬間になっています。そして冬至が過ぎると、太陽は天界の道を夏の家に向かって歩きはじめ、それにつれて少しずつですが毎日昼間の時間がのびはじめます。
あなたの暮らす土地の日の出と日没の時刻と昼時間はここで調べられます。
冬至は、太陽が生まれかわる瞬間だと考える人たちもいました。闇が一瞬光りの世界を覆うものの、つぎの瞬間には再び光りが闇を貫きます。一年で最も夜の長いときが終わり、いのちの輪が再び巡りはじめるのです。このために冬至の日を新しい年のはじまりと見る民族もありました。アメリカ合衆国の中西部の砂漠に暮らす農耕民族のホピ・インディアンの人たちは、冬至の前後、世界中の人たち、動物たち、植物たちのために、太陽がもう一度元気を取り戻して新しい旅をはじめてくれるように祈る儀式を、数千年間おこない続けてきました。
冬は植物が枯れ、動物は冬眠してしまうので、食料が手に入りにくくなります。古来日本列島でも冬至に対する不安は大きかったようです。無病息災を祈るために、野菜の少ない季節に栄養を補給しようと、かぼちゃを小豆やだんご汁と共に食べたり、香りに邪を祓う霊力がある柚子のお風呂に入るなどしました。二十四節気という暦の用語がありますが、これは冬至から次の冬至までの太陽の動きを24等分することでできています。冬至の日が一年で最も重要な日とされる理由もそこにあります。寒さは冬至を過ぎるとますます厳しくなりますが、しかし冬至の日を境にして、これから少しずつ光りの量が増えていくことで、太陽がわたしたちに明るさを贈ってくださるのです。
長野県の冬の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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