メタボリックシンドロームをなんとかしよう

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2年前の4月から40歳以上の方を対象に生活習慣病予防のための検診・保健指導が義務化されました。そのなかでとりわけ耳にするようになったのが「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」、略称「メタボ」という言葉です。最近ウォーキングやランニングなどをして健康に注意をする人が増加している理由も、まさしくその「メタボ」にあると言ってよいでしょう。

40歳から74歳の中高年男性は2人に1人、女性でも5人に1人、30代男性でも3人に1人が、予備軍に該当します。信じられない数字ですね。「メタボリックシンドローム」には早期生活改善が効果的だと、あなたも何度となく聞いたことがあるに違いありません。充実した人生を送るため、食べたいものをおいしく食べるためにも、健康には気をつけたいもの。健康でいることは自分のためでもありますが、家族にも幸せをもたらします。

metabolicsyndrome2.jpgメタボリックシンドロームとは
糖尿病などの生活習慣病は、おなかのまわりの内臓に脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」が大きくかかわっていることが、最近の研究で分かってきました。その「内臓脂肪型肥満」に加えて、高血糖や、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。

メタボリックシンドロームの日本における診断基準は、日本肥満学会、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会、日本内科学会の8つの学会がまとめあげたもので、ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性が90cm以上、そしてこれに該当する場合、

 1.脂質の中性脂肪(トリグリセリド)値150mg/dl以上、またはHDLコレステロール値が40mg/dl未満
 2.血圧の最高(収縮期)血圧130mmHg以上または最低(拡張期)血圧が85mmHg以上
 3.空腹時の血糖値が110mg/dl以上

上記3項目のうち2項目以上にあてはまる場合メタボリックシンドロームと診断されます。

なぜメタボが危険なの?
日本人の三大死因は、「がん」と、動脈硬化を要因とする「心臓病」と「脳卒中」ですが、後者のふたつがメタボリックシンドロームに関係しています。糖尿病や、高血圧症、高脂血症になる前でも、これらが内臓脂肪型肥満を土台としていくつかが重なると、動脈硬化を進行させて命にかかわる病気を引き起こしかねません。これらの病気は、危険因子が多くなるほどリスクが高くなりますので、血糖値や血圧がちょっと高めといった予備軍でも、併発すると、とりかえしのつかないことになる可能性があるため、メタボリックシンドロームが危険だと言われるのです。

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ウエストを計る正しい位置はここ

メタボ危険度のセルフチェック
厚生労働省などで公表されているメタボリックシンドロームのチェック項目です。

 1.腹囲男性85cm以上、女性90cm以上
    内臓脂肪が付いている可能性があります。
 2.お腹いっぱいまで食べる(過食)
    食べすぎは肥満の一番の原因です。
 3.朝食をたべない
    食事の間隔が空き過ぎると、
    身体がエネルギーを蓄えようとしてしまいます。
 4.人と比べて食べるのが早い
    満腹と感じる前に食べ過ぎてしまいます。
 5.1日の歩行時間が30分未満
    摂取したエネルギーを消化しきれません。
 6.たばこを吸う
    喫煙はリスクを高めます。
 7.お酒をたくさん飲む
    お酒自体も高エネルギーです。
 8.甘いものが大好き(間食)
    余分な糖質は脂肪として蓄えられます。
 9.睡眠時間が短い
    睡眠時間が短いと食欲を促進するホルモンが増えます。

該当する項目がある場合、早めに改善することが必要です。

メタボから抜け出すために
健康体を取り戻すためには、食習慣と運動習慣の改善が必要です。食習慣の改善は、ごはんの量を少し減らしたり、食べるものの選択をショートケーキからみつまめに変えるなど、摂取するエネルギーの量を意識的に減らすことと、固い食材などを選びよく噛む習慣をつけ、食事に際しては食事に集中して「ながら食い」をやめる、そして腹八分目でやめるなど、食べ過ぎない行動をとることがあげられます。

運動習慣では、エスカレーターやエレベーターを使わないようにすることや、大またで早足で歩くことなどの、運動する機会を増やすことが大切です。新たに運動をはじめるのではなく、日常生活の中で少し身体を動かすことを意識することで改善につながります。

家事作業を意識的におこなうことでも良いでしょうし、家に庭や畑があるのなら、たとえば身体の動きを確かめつつ農作業をすることでも、以下のカロリーが消費できます。

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農作業でカロリーを消費する

            *参考(60kgの方が農作業をした場合) 出典JA長野県厚生連

   内容         時間   消費カロリー
   鍬を使って耕す    20分  105kカロリー
   草むしり       60分  252kカロリー
   果物・野菜の収穫   60分  189kカロリー
   雑草を刈る      60分  504kカロリー
   苗の植え付け     21分  100kカロリー

また農作業はエネルギーの消化以外にも、ストレス発散の役割も果たします。積極的に取り組むようにしたいものです。おいしいごはんを食べて、充実した人生を送るために、一度生活習慣を見直すことが大切。無理をせずできることからはじめましょう。

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