新信州暦 信州では味噌作りの季節を迎えて

free_toki.jpg

渡り鳥の北帰航が2月にはじまったと思ったら、一昨日には長野市の市オリンピック記念アリーナ・エムウェーブ近くの農道に県境を越えて新潟県から朱鷺(とき)が飛来したもので、長野市民はちょっと興奮気味です。さて、はやいもので3月に入りました。3月といえば、卒業式など別れのシーズン。red_snowtrain.jpgさらにまた多くの企業が決算月とあわただしい毎日が続きます。卒業といえば、飯山線と大糸線で四半世紀余り活躍してきた「赤いラッセル車」が今季限りで引退だとか。今年は雪が少なく活躍の場があまりなかったようですが、ファンにはなんとも寂しいニュースでした。今週末7日には飯山市の飯山駅で「さよなら展示」が行われます。

springtime.jpg

これから信州でも南部から徐々に、光だけの春から気温も春に移り変わる季節です。とはいうものの2月後半から天気のすっきりしない日が多く、3月に入ってからも雪まじりの天気がここのところ続き、なかなか光の春を実感できていません。長野地方気象台によりますと、この冬は記録的な暖冬で雪の少ない年でした。最深の積雪が雪の多い地方でも平年比40〜50%しかありません。springtime_2.jpgこのためイベントの中止もあったりと、すっきりしない冬となりました。3ヵ月予報でも3月を中心に平年より高い気温が予想されています。こういう春のはじまり方をすると桜の開花も早そうです。農家は農作物の生育がすすみ、4月に入り、芽吹いたばかりの花芽などが霜の害にあってしまわないように、農作物の管理に注意が必要となっています。佐久市にある県水産試験場でも2月の水温が高かったため1週間ほど早く「シナノユキマス」のふ化が本格化し、約320万匹がふ化する見通しだそうです。

tanemomi.jpg

すでに今年の米作りに向けた準備もはじまっています。先月中旬から、コシヒカリ、あきたこまち、もち米などの温湯(おんとう)殺菌作業による種もみづくりが開始されました。殺菌を兼ねて種子が発芽するのに必要な一定量の水分を種子に吸収させ発芽をうながすためです。県内のナガイモの産地である山形村や松本市、長野市松代などでは、ナガイモの春掘り作業がはじまります。先月末からの予定が、雪や雨でほ場がぬかるみ、掘り取りができない状況がつづきました。作業は4月末頃まで続き、5月からは新たなナガイモの定植がはじまります。また自家製の大豆を使用した「味噌作り」もこの時期盛んに行われています。

hinamatsuri.jpg

昨日3月3日は、「桃の節句」でした。本来は旧暦4月のお祭りということもあって、長野県内でも各地でひな祭りに関連したイベントが来月の初めまで行われています。北信濃では「ぶらり北信濃ひな巡り」が今月1日から来月5日まで開催されています。これは山ノ内町、中野市、小布施町、須坂市、松代町の月遅れのひな祭りイベントを、春の訪れとしてみんなで楽しもうというものです。

yasyouma.jpg

お釈迦様の命日へのお供え物としてこの時季、信州では善光寺平を中心に、蒸した米粉で「やしょうま」を作ります。断面を桜など花に模して見た目も華やかな仕上がりです。一般には「その昔、お釈迦さまが亡くなるとき、お釈迦様の好物だったもの弟子のヤショが差し上げたところ、お釈迦さまはそれぺろりと召しあがり、弟子にむかって『ヤショうまかったぞ』とおっしゃられた」とまことしやかに伝わっていますが、切ったときの断面形が馬の鞍の形に似ているところから「痩せ馬」と名づけられ、それが「やしょうま」になったとも伝えられています。今ではこの華やかなやしょうまを名物として扱うお土産屋さんも信州には増えています。

*巻頭のカバー写真を入れ替えました。top_090302_small.jpg先週末、信州南部の上伊那で、春のようにさわやかなチューリップが目にとまり、その場で撮影。チューリップの出荷は、2月が最盛期で、様々な色が並んでいました。幾本かを購入し、自宅へ持ち帰ると、寒い夜はつぼみを小さくし、昼間は花びらをいっぱいに広げて、お日さまをあびています。まるで、春の空気を深呼吸をしているようです。数本のチューリップで、部屋が明るくなりました。


daynite.gif

home_food_festival_2009.jpg

本日4日は上弦の月。そして明日5日は二十四節気のひとつ「啓蟄(けいちつ)」です。暦便覧によれば「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也」とあります。もともと、冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃という意味。この週末の7日、8日の2日間は、2月18日号の「今年もおいしい長野県に会いに来てください」の記事でお知らせした「ふるさとの食にっぽんの食全国フェスティバル」が、東京都渋谷区の代々木公園に隣接するNHK放送センター周辺で開催されます。都内および東京近郊にお住まいの方はぜひお出かけの上、目と舌でおいしい長野県を感じてください。

otaue.jpg

松本市四賀地区の福寿草の群生地は、約1.5haの斜面に約50万株の福寿草が自生していて、県内最大級の福寿草群生地です。この松本市四賀の福寿草の群生地で、恒例となった福寿草祭りが3月7日から28日まで開催されます。8日は筑北村でお田植え祭り(総社神明宮春季例祭)tokimata_hadaka1.jpg主役の張り子の牛をめがけて見物している参詣者が雪玉を投げつけるお祭りで、今年も水不足がないようにとの願いがこれにはこめられているといわれます。同じ8日には、飯田市竜丘時又でも、伊那谷に春を告げると言われる鎌倉時代から行われてきた勇壮な「時又初午はだか祭り」が行われます。

20090310josei.jpg

10日は農山漁村女性の日です。実際には日本の農業の半分以上を担っているとされる女性たち。農林漁業就業者の60%以上を占めている女性の地位・役割向上・社会生活参加などを目指して農林水産省が1988年(昭和63年)に制定しました。翌11日は満月。

indexarrow.gif 長野県の冬の特徴
indexarrow.gif 長野県の春の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

1236092400000

関連記事

新・信州暦 冬鳥の北帰行もはじまる頃です

新・信州暦 冬鳥の北帰行もはじまる頃です

新信州暦 晴れた日には散歩に出かけましょ

新信州暦 晴れた日には散歩に出かけましょ

新信州暦 ふきのとうとE7系、今が旬です

新信州暦 ふきのとうとE7系、今が旬です

新信州暦 それでも春は少しずつ近づいてる

新信州暦 それでも春は少しずつ近づいてる

新着記事