1月4日が仕事始めと、本日から職場に向かった人も多いことでしょう。
改めまして、あけましておめでとうございます。
皆さんはどのようなお正月を過ごされたでしょうか。
今年の元旦、長野市は太陽の明るい陽射しに照らされて快晴の一日、まさに希望の年となってくれそうな、いえ是非なって欲しいと願う一年のスタートとなりました。また新年のご来光を楽しみに、年末には大勢の人が北アルプスや八ヶ岳に入山しましたが、すばらしい初日の出を望むことができたことでしょう。
年々伝統が少しずつ失われている現在ですが、それでも今なお、おせちを囲み、お雑煮を食べ、そして久々に兄弟姉妹や親戚の顔が集まるお正月は心安らぐいいものです。またこのお正月に成人式を行う地域も多くありましたから、久しぶりの友との再会と、そして成人を迎えた歓びを分かち合った姿も各地でみられました。
とはいえ昨年の数々の大惨事もあり、お正月をすんなりと喜ぶ気にもなれない人も多いことでしょう。それでも新年の始まりは特別な気持ちにもなり、新たな希望をもつ大切な節目であることには変わりありません。一刻も早く復旧し、少しでも多くの人が以前の生活に戻れるよう心から祈ると共に、また遠く離れていてもできる何かを考えながら、引き続き支援と協力を行っていきたいと思います。また、人の温かさ、絆に触れた昨年でしたから、今年もまず身近な人から、そして身の回りの人を大切に、そして、地域の人々ともコミュニケーションをとりながら日々の生活を送っていきたいと思うしだいです。
近所の小さな神社に二年参りに出掛けたのですが、鳥居からはみ出す程の長い列ができていました。中には入園前とみえる小さな子供も数多く、眠い目をこすりこすり、親に教えられたとおりに手を合わせる、心引かれるなんとも可愛らしい姿がありました。
年末の交通渋滞はどこへやら、元旦の長野市内は走る車も少なく閑散としていました。ただ、例年のことながら善光寺は大勢の参拝者で参道が埋め尽くされています。「今年こそはいい年になりますように」との願いをした人も多かったことでしょう。この人の多さには社会全体の願いの厚さを感じました。
元日ばかりは営業している店もごく稀ですが、そんななか、長野県内のいちご園では、真っ赤な実をたわわに付けて元日早々営業を始めているところも多いのです。
県南部の伊那市にある「伊那みはらしいちご園」(電話0265−74−7430)では、新年を告げる鐘の音とともに午前0時から今年の営業を開始。また、小諸市の「こもろ布引いちご園」(電話0267−26−2615)、長野市の「アグリながぬま」(電話026−295−1093)、千曲市の「信州あんずの里アグリパーク」(電話026−273−4346)でも元旦から営業を始めています。また南部の喬木村にある「たかぎ農村交流研修センター」(電話0265−33−3999)でも7日より営業になります。いちご園のハウスの中は、しばしの寒さを忘れさせてくれる暖かさですので、ぜひこの冬はいちご園へお出掛け下さい。いちごはビタミンCなどミネラルが豊富で風邪予防にも最適です。
※料金や営業時間等は各いちご園へお問い合わせください。
元日早々のマラソン大会も県内各地で行われており、大勢のランナーが新年初に走る歓びを満喫し、爽快感を味わっていました。また降雪が少ない代わりに寒さ厳しい佐久市や茅野市などでは、昨年末から田んぼにはった氷をスケートリンクとして楽しむ子ども達の姿もありました。
県北部では寒さに身を震わすばかりですが、南部の下伊那郡天龍村では早くも春の味覚”フキノトウ”が顔を出し、地元農家によって収穫され店頭などでの販売がおこなれているということです。
この1月、善光寺で行われる新年の平安を祈る行事を幾つかご紹介しましょう。
6日午後7時からは「びんずる廻し」が行われ、配られたしゃもじで、びんずる尊者像をなでて持ち帰ると、一年を無病息災で過ごせるといわれます。また7日午後3時からは「七草会」。さらに7日から15日はお朝事後の「御印文頂戴」。ご本尊の分身といわれる「御印文」を頭に押してもらうと、極楽往生が約束されるといいます。
県東部の上田市鹿教湯温泉では、氷で作った灯ろうに願いを込めて火を灯す「氷灯ろう夢祈願」が行われており、温泉街の道沿いは幻想的な雰囲気に包まれています。誰でも無料で参加できる点灯体験は今月いっぱい毎日実施されており、希望者は午後4時半に共同浴場「文殊の湯」に集合してください。お問い合わせは鹿教湯温泉観光協会(電話0268−44−2331)へ。
今週土曜日は「七草がゆ」。正月七日の朝に七草がゆを食べるとその一年、病気にならないと言い伝えられているものです。もともとは平安時代の宮中儀式のひとつで、吸い物であったようですが、鎌倉時代には吸い物から粥へと変化しました。そして江戸時代になると一般にも七草がゆを食べる習慣が定着したそうです。「せりなずな御行(ごぎょう)はこべら仏の座すずなすずしろこれぞ七草」と詠んだのは南北朝の歌人、四辻左大臣。正月のご馳走で疲れた胃腸を休め、青菜の不足する冬場にビタミンを補給するという昔の人の知恵から生まれた習慣でもありました。そして七草はどれも秋に芽を出して冬越しする草で、極寒の時にも枯れることなく緑の葉を付け、そんな強さにあやかりたいという願いも込められていたようです。以前より食べ物が豪華でエネルギー量が多くなっている現在ですので、なおのこと昔の人の知恵に想いを馳せ、今年は七草がゆを作って召し上がってみてはどうでしょうか。
今週6日は寒の入り。これから寒さが最も厳しくなる時期へと向かいます。また長野市内では地面が凍結している場所も多くありますので、歩行にはくれぐれも気をつけて、また風邪などひかぬよう体調管理を行ってこれからをお過ごしください。
*巻頭のカバー写真。お正月の楽しみの一つ、お節料理。地域や家庭によって様々ですが、子孫繁栄を願う数の子、豊作祈願の田作り(ごまめ)、まめに働き暮らせるようにと黒豆、この3つは欠かせないものとされています。

*コラムはしばらくの間お休みさせていただきます。