信州の田んぼでは今、稲穂が黄金色に輝いて、収穫のときを今か今かと待っています。実ったお米の重さで倒れてしまっているものもあり、早いところでは、もう稲刈りを行っている田んぼもちらほら。夜空に明るく収穫月がかがやく今、これからが米農家は大急がし。コンバインも大活躍の季節です。関東農政局長野農政事務所によると、今年の作柄は全県で「平年並み」とのこと。今年もおいしい新米が食べられそうです。どんな作物でもそうですが、おいしいものを作ってくれた農家さんたちへの感謝を忘れずに、味覚を楽しみたいものです。
さて、新米は楽しみですが、やはり東京電力福島第一原子力発電所の大きな事故があったために今年は放射性物質が心配です。長野県では、安全性確保のため、放射性物質検査で暫定基準値(放射性セシウム:1キロ当たり500ベクレル)以下であることが確認されるまでは、市町村単位で新米の出荷・販売・譲渡を自粛するよう、生産者に要請しています。放射性物質検査は、市町村別に収穫前の水田で稲刈りし、脱穀、乾燥した後に東京の分析機関に送って検査しています。検査は稲穂が育ってきた先月末頃からはじまり、9月13日現在、45市町村で実施され、いずれも「不検出」という結果となりました。安全性が確認された市町村においては、出荷自粛が解除されています。今週以降も検査が行われ、9月中には全県で検査の結果が出る予定となっています。検査結果は長野県農政部が長野県産米の放射性物質調査結果サイトにて随時発表しています。
この一週間、信州では本当に天気の良い日が続きました。天気がいいのは嬉しいのですが、いわゆる「秋晴れ」というよりは、「残暑」という言葉が似合う天気です。場所によっては先週の木曜日から最高気温が30度を超える日が続いていたりします。先週感じていた朝の清々しさはどこへ行ってしまったのでしょうか。天気予報をチェックしてみると、暫く暑い日が続きそうです。体調管理には気をつけたいですね。
こうも暑いと、農作物への影響も心配になってきます。収穫期を迎えている米や、ぶどう、梨、秋レタスやキャベツ、マツタケ・・・そして10月から収穫がはじまるりんご。りんごは、秋に朝晩が涼しくなることで色づきます。この残暑が続けば、りんごもまだ夏だと勘違いして、きれいに色づかない可能性もあります。記録的な残暑となった昨年は、日焼けしてしまうりんごも多く、農家さんたちを悩ませました。今年も予想される残暑。天気予報が気になる日がしばらく続きそうです。
11日(日)、3月11日に発生した東日本大震災から半年を迎え、依然津波の大きな爪痕の残る東北の被災地各地では慰霊式典などが行われました。長野県でも、3月12日未明に発生した長野県北部地震から半年を迎えました。8月26日の時点で、家の倒壊により住めなくなった住民112人が、いまだ仮設住宅で生活しています。高齢者が多く、仮設住宅での慣れない暮らしはとても大変と言います。隣近所の付き合いが薄く、農地から離れてしまったので、お茶を飲みながらのお喋りと農作業が日課だった高齢者にとっては、ストレスのたまりやすい環境にあるようです。被災地の多くは、東北地方や長野県北部など、寒く雪の多い地域。
冬に向かって復興支援が急がれる中、県内からも、NGOや大学、企業などの団体がボランティアを派遣してきました。震災の発生から半年が経ち、多様化・個別化するニーズに対応した次の段階のボランティアが問われています。とはいえ、根底にある「皆で力を合わせて復興していこう」という想いは変わらないはず。助け合いの精神を忘れず、未来へ向かって進んでいきたいですね。
さてさて、注目のぶどう、ナガノパープルの出荷が開始されました! 巨峰とリザマートを交配させて須坂市で作られたぶどうですが、種が無い上に皮まで食べられるという便利さとおいしさが評判となり、今最も注目されているぶどうのひとつです。長野県でしか生産できず、生産量がまだ少ないため、長野県北部や東京、名古屋、大阪の都市部を中心にしたフルーツ専門店以外では滅多に見ることができませんが、一押しの果物です。もし見かけたら、是非ご賞味下さい。近所では手に入らないという場合は、JAタウン「僕らはおいしい応援団」でインターネット販売も行っています。毎年、売切れてしまう人気商品ですので、ご注文はお早めに! 18日(日)には、須坂市のAコープすこう店で「ぶどうまつり2011」が開催され、ナガノパープルの試食会も行われます。
えーと、小鮒(こぶな)の甘露煮を食べたことはありますか? JA佐久浅間では今年も小鮒が出荷されています。佐久地方では、秋の郷土料理として小鮒の甘露煮が昔から親しまれてきました。川魚独特のクセのある甘露煮は、おつまみにぴったり。稲とともに水田で飼育して、有機農法に役立てているところもあるとのことです。先週末から始まった水揚げですが、シーズンが短いため、今週末で売切れてしまう可能性もあるそうです。佐久市三塚のJA佐久浅間さく南部営農センター[電話0267−62−8145]で、売切れるまで直売が行われています。
*巻頭のカバー写真。安曇野、大王わさび農場近くにて、きれいな田園風景に思わず一枚。信濃富士と呼ばれる有明山も、黄金色に輝く稲の穂波を見下ろして、秋が近いことを感じているように見えます。
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●今の信州の花は、秋の代名詞ともいえるコスモス。南信州阿智村の治部坂高原では、100万本のコスモスが今まさに見頃を迎えています。ピンク色のコスモスだけでなく、黄色のキバナコスモスも見ものです。ペアリフトに乗ってコスモスの絨毯の上を空中散歩はいかがでしょう。その他にも、佐久市のコスモス街道や黒姫高原など、県内各地でここしばらくはコスモスの花を楽しむことが出来ます。あらかじめコスモスの開花情報をチェックして天気の良い日にお出かけください。
南信州などちょうど今週末ぐらいがそばの花の満開になるところがあります。飯田市天竜峡では、17日〜19日の三連休に「秋の天龍峡そば祭り」が開催。真っ白で可憐なそばの花に囲まれながら、手打ちそばを食べられます。里山の斜面に集落が点在し、日本のチロルと呼ばれる飯田市上村の下栗の里でも、そばの花が見頃をむかえてます。信州中川村など一面にそばの花が咲きはじめたところではこの週末にそばの花祭りも開かれます。南信州JR飯田線伊那田島駅南に広がる中川村の赤そばの畑からは中央アルプスと南アルプスを一望できます。信州はそばの花が終わると、みなさんお待ちかねのそば祭りのシーズンにはいります。そば祭りが本格化するのは10月に入ってからですが、この秋に開催される各地のそば祭りの情報は、さわやか信州旅.netの秋の信州そばまつり情報のページをチェックしてみてください。
9月も半ばに入り、朝夕の肌寒さと日中の残暑の入り混じりは、まさに季節の変わり目といった感じがします。畑の作物たちや森の木々の葉に露が見られるのもこの季節。夜、草木や地面の冷えと空気の冷えがあいまって、水蒸気が固まり水滴を作るからです。気がつけば、夜の演奏会の主役は蛙から鈴虫へバトンタッチ。窓を開けてその音色を楽しむ際には、どうか体を冷やさないようにご注意ください。
日本の棚田百選に選ばれている上田市殿城の稲倉棚田(いなぐらのたなだ)では10月23日まで恒例となった「案山子(かかし)まつり」が行われています。稲倉棚田保全委員会の呼びかけにより、地域の人や、棚田の保存を願う人たちがいろいろテーマを考えてつくり持ち寄った約100体の案山子が、道案内もしてくれたり、まもなく稲刈りの時期を迎えるのを見守っています。雄大な景色とユニークな案山子を見に出かけるのも楽しみ。今年は、訪れた人たちに作品を投票してもらう「稲倉棚田案山子まつりコンテスト」も実施していますから、その節はお気に入りの案山子に投票を。
16日(金)から「未知を歩こう。信州2011」観光キャンペーンがはじまります。そのためのオープニングセレモニーが昨日13日にJR長野駅の東西通路でアルクマくんも来ておこなわれていました。17日にはPRセレモニーも行われます。キャンペーンでは特産品が当たるウォークラリーやスタンプラリーなども行われます。紅葉の季節も近づいてきました。「秋はどこに行こう?」と悩んだら、まずこちらの未知を歩こう信州2011特設サイトをのぞいてみてください。
20日は秋の彼岸の入り。この日を含めた7日間がいわゆるお彼岸。この日と翌21日の両日には、大町にあり、入口に杉の巨木がそびえている、信濃で一番古い社という説もあって、信州屈指のパワースポット仁科神明宮((にしなしんめいぐう))[大町市大字社字宮本]で、例祭がおこなわれ、奈良平安の頃の名族であり、奥州阿部一族の末裔ともされる安曇の大豪族仁科氏の地に古くから伝えられる独特の、面と装束を着けた舞方が踊る能神楽が奉納されます。この神楽は長野県無形民俗文化財とされているもので中世から今に伝わっています。

季節が変わるとはどういうことかを少し説明しましょう。中学の頃、赤道というのがほんとうにあると思っている友人がいました。地球に赤い線が引かれていると。実際のところ、この地球を、北半球と南半球とに分けるように引かれた赤い線は、人間が頭でイメージしたものです。とはいえ、1年に2日だけ、3月21日と、9月23日の前後に、天界を移動する太陽がこの赤道の真上を通過する瞬間があります。太陽が赤道の真上を通過すると、季節が変わるのです。北半球では、3月にある春分の日に春がはじまります。そして秋がはじまるのは太陽が赤道の真上を通過する秋分の日からです。暑い夏は6月21日前後に、赤道の北、北緯23.5度に引かれたこれもイメージの線である北回帰線の真上を太陽が通過した瞬間にはじまります。冬がはじまるのは12月21日前後に、赤道の南、南緯23.5度に引かれたこれもイメージの線である南回帰線の真上を太陽が通過した瞬間にはじまります。そして南半球と北半球では夏と冬が逆になっているのです。今年の秋分の日は来週の9月23日金曜日です(2012年は9月22日)。秋分の日には昼と夜の長さが同じになるとよくいわれますが、実際は数日遅れてその日がきます。
今年は昼と夜の長さがちょうど12時間ずつになるのは長野市の場合だと9月27日になります。昼と夜の長さが同じになる日は緯度によって異なります。
いよいよ本格的に食欲の秋です。『果物は健康にいいから食べなきゃ損損』とついつい果物を食べ過ぎている人も多いかもしれません。食後のデザートとして甘〜い果物を食べると即エネルギーとして利用できませんので、果糖が中性脂肪やコレステロールに合成され蓄積されて太ることがわかっています。デザートとしてではなく、朝色として果物を食べたり、食事の前に果物を食べることでしたら太ることもありません。果物にも、太らない正しい食べ方があるのです。さらに今家の台所にある旬を感じるものといえば、
サツマイモに、栗、かぼちゃなど、ほのかな甘味とホクホクとした食感に幸せを感じさせるものたち。ご飯ももりもりでデザートにフルーツだとしたら、あぁやはり体重の増加は避けられそうにありませんね。
長野県の秋の気象の特徴
長野県の気候 長野地方気象台のウェブサイトより
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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
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