ほぼ1週間前、先週の更新が終わった翌日の12月9日、木曜日、長野市で初雪を観測しました。昨年より37日も遅く、平年からも19日遅い観測です。それ以後の1週間、長野市の空は、すっきり晴れることが少なくなり、山に雲がかかっている冬の景色が続いています。毎朝、布団から出るのが辛い時期です。屋外に停めてある自動車は霜で真っ白になり、ぬるま湯を少しかけても端から凍っていってしまいますし、車に乗って温まるまでにも時間がかかるなど、でかけるまでに思いのほか時間をとられます。また、県内ではノロウィルスが発生したとのことですが、寒いために部屋を締め切りにしてしまうことが多くなっています。インフルエンザの流行なども起こりうることですので、換気を十分にし、うがいや手洗いなど健康管理をしっかりとしなければなりません。
そんな寒い、辛いばかりが信州の冬ではありません。スケート場、スキー場が続々オープンしています。ウインタースポーツの季節です。軽井沢町の風越公園では、11日に屋外スケート場がオープン。国際大会が開ける大きさに改修したそうで、2月下旬まで営業の予定です。軽井沢風越公園スケート場や松本市の浅間温泉国際スケート場も既にオープンしています。また、すでにオープンしているスキー場もありましたが、県内のスキー場が今週末には続々オープンしていきます。飯山市の戸狩温泉スキー場や長野市からすぐ近くの飯綱高原スキー場、駒ケ根高原スキー場が18日(土)からオープンになります。スキーやスケートで楽しみ、温泉に入って温まり疲れを癒して、気分もすっきりの信州の冬を体験しに来てください。空が澄んでいる冬空では、星を見る会も開催されます。
18日(土)には、第178回 星空観望会 「木星と冬の星座を探そう!」が、原村の八ヶ岳自然文化園で行われます。寒い澄んだ空気の中で見あげる星は最高ですよ! 晴れた夜、信州では電灯の少ないところに行けば、どこでもおおぐま座、こぐま座、カシオペア座、はくちょう座、アンドロメダ座などの星座だけでなく満天の星空が見られます。
農業は、ほとんどの収穫を終え、ひと段落した時期となっています。1年の締めくくりの行事や、年越しの準備もはじまっています。JA上伊那では8日、畜魂祭が行われ、生産者ら60人が参加しました。畜魂祭というのは、畜産業において尊い命を犠牲にしているため、その動物たちの慰霊のために行われている祭礼です。また長野県上田市の丸子修学館高校が、高校生が育てた米を品評する初の大会「全国農業高校お米甲子園」で、特別優秀賞を受賞し、校内の実習田で栽培した「コシヒカリ」の食味の良さなどが評価されました。将来の担い手になる、県内の高校生が受賞されとても嬉しいニュースです。
JA松本ハイランドでは、保育園児が農業体験を行いましたが、来年の園児のための畑作りをしたそうです。農作物を作って美味しく食べる取り組みはよくありますが、来年のために土づくりを行うことは珍しい取り組みですね。農業を体験する本当の意義として、段取りをして、将来を見ながら作業することの重要さを学べたのではないでしょうか。JA佐久浅間では、ワイルドフラワーの講習会が行われました。西オーストラリアで育つ花を特殊加工したもので水が必要なく、香りがさわやかに続くそうで、クリスマスやお正月に華を添える飾りとなります。ほかにも県内の各地域で、しめ飾りの講習会が開催されたりと年越しの準備が進められています。
みなさまも、年越しの準備をされていると思います。良い新年を迎えられるよう、あとひとふんばりですね!
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。先週土曜日の冬晴れの空の下、佐久市前山の冷たい土の中でたくましく育つダイコンを収穫です。こちらのダイコンは今年最後の収穫とのこと。しだいに生鮮野菜が貴重になる季節です。葉はもちろん、皮までおいしくいただきました。
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●今日16日は、今年がはじまって350日目。あと今年も余すところ15日です。4日後の20日は「果ての二十日」といわれる忌み日。江戸の昔にはおもてに出てはいけない日でした。外出や仕事をしてはいけない日とされた理由は、江戸時代の京都で毎年12月20日が囚人たちが刑場で斬首になる日だったからです。そのために暮れの20日には外に出ないという習慣が広まりました。この20日から23日までが、昼が最も短くなる4日間です。しかも21日は満月。20日の午後3時頃のぼってきた空で輝きを増す月は、一晩中夜空を旅して明け方6時半過ぎに沈みます。一番長い夜の満月です。冬至の前後の満月はとても強力です。この日、長野市では昼時間(日の出から日没まで)が9時間40分しかありません。そして、天界の地図で太陽が山羊座にはいる22日が冬至。
冬至の日は、夏至の日と並んで、太陽が地球の赤道から最も遠いところに到達する瞬間です。午前8時38分がその瞬間です。12月の、太陽が一年で最も力を弱くするこの瞬間のことを「太陽が冬の家に入るとき」と、太陽が一年で最も力を強くする6月の夏至の瞬間を「太陽が夏の家に入るとき」と表現する民族もいます。北半球の少数民族は、冬がものを深く考える時であることから、冬至を知恵の時と考えました。太陽が知恵の場所に入るのです。そして冬至が過ぎると、太陽は天界の道を夏の家に向かって歩きはじめ、それにつれて少しずつですが毎日昼間の時間がのびはじめます。
あなたの暮らす土地の日の出と日没の時刻と昼時間はここで調べられます。
冬至は、太陽が生まれかわる瞬間だと考える人たちもいました。闇が一瞬光りの世界を覆うものの、つぎの瞬間には再び光りが闇を貫きます。一年で最も夜の長いときが終わり、いのちの輪が再び巡りはじめるのです。このために冬至の日を新しい年のはじまりと見る民族もありました。アメリカ合衆国の中西部の砂漠に暮らす農耕民族のホピ・インディアンの人たちは、冬至の前後、世界中の人たち、動物たち、植物たちのために、太陽がもう一度元気を取り戻して新しい旅をはじめてくれるように祈る儀式を、数千年間おこない続けてきました。
冬は植物が枯れ、動物は冬眠してしまうので、食料が手に入りにくくなります。古来日本列島でも冬至に対する不安は大きかったようです。無病息災を祈るために、野菜の少ない季節に栄養を補給しようと、かぼちゃを小豆やだんご汁と共に食べたり、香りに邪を祓う霊力がある柚子のお風呂に入るなどしました。寒さは冬至を過ぎるとますます厳しくなりますが、しかし冬至の日を境にして、これから少しずつ光りの量が増えていくことで、太陽がわたしたちに明るさを贈ってくださるのです。冬至の日が一年で最も重要な日とされる理由もそこにあります。
冬至はまた二十四節気のひとつでもあります。暦便覧には「日南の限りを行て日の短きの至りなれば也」と記されています。空を観察することで暦を決めていた時代には、この日からは1日に「米一粒ずつ」日が伸びはじめることから、古くはこの日を年の始点と考えたといわれています。冬至には言い伝えも多くて「冬至冬中冬始め」「冬至かぼちゃに年とらせるな」「冬至の柚子湯は風邪を絶つ」「冬至に雪降れば豊年の兆し」などのことわざもあります。冬至は太陽の力が最も弱まる日になりますが、しかし、力がこれ以上弱まらないということは、この日を境に再び力が強まる(甦る)日でもあるわけで、冬至は、「一陽来復」の日として特別に扱われたのです。古代の人たちは、冬至の日にみんなで祈りをあげて天界の道を旅する太陽を元気づけるためにさまざまなお祭りをしました。
風邪がはやっています
風邪についてはヨーロッパの言い伝えに「なにか手を打てば7日間、なにも手を打たなくても7日間」というのがあります。なかなか面白くもあり、ツボを突いているとも言えるでしょう。でも風邪をひくのは誰にとっても嫌なもの。そこでもし運悪く風邪をひいてしまったとき、回復に向かう7日間の過ごし方としては、乾燥しすぎない部屋で水分を補給すること、温かいスープで体を温め、ビタミンCの含有の多い薬草のお茶を飲み、栄養のあるものを食べ、たびたび手をよく洗うことなど注意は色々ありますが、簡単に言えば、体を温め、ゆっくり体を休め、そしてゆっくり待つこと。ゆっくりのんびり過ごしても、イライラせっかちに過ごしても、7日間は7日間ということなのです。
長野県の冬の気象の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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