新信州暦 そろそろ雪支度をはじめなくては

jumper.jpg山の紅葉もはやピークを過ぎて、県下では最低気温がマイナスになるなど、秋ももう終わってしまったかと思えるくらいに突然気温が下がりはじめました。標高の高い山々はすでに当たり前のように雪をかぶっています。通勤にはコートやマフラー、手袋が手放せない寒い時期となりましたけれど、それでもまだ市街地では紅葉した木々も見ることができます。長野市では一昨日15日には雨で、どんよりと黒っぽい雲に覆われて、今にも雪が降りそうな天気でした。先週の日曜日には、自動車のタイヤをスタットレスタイヤに履き替えている人も目にしましたし、そろそろ雪仕度をはじめなければいけません。

redleaf.jpg信州には「もみじ色つきゃ冬がくる」ということわざがあります。紅葉といえば、木々の葉が赤や黄色に変わることですが、同じ木でも色が部分的に変わることがあります。色が変わるメカニズムの一説をご紹介しましょう。冬場になると気温が下がることで、もともと葉が持っている緑色の色素クロロフィルが薄くなり、赤や黄色に変わります。葉の色は、日光に当って蓄えた養分で赤色色素「アントシアン」が作られて赤くなり、それが生成されない場合は元来持っている黄色色素の「カロテノイド」によって黄色になります。red_yellow.jpg夏から一気に秋になると養分が多く残って赤くなり、ジワジワと季節が変わっていく時は養分が本体に吸い取られて少なくなり、黄色くなります。同じ木でも日当たりの良い外側は赤くなり、悪い内側は黄色くなるといった景色も、こうして作られます。秋の紅葉を見れば、急に寒くなったのかどうかがわかる人にはわかります。不思議な現象ですが、ちょっと意識するといつもの景色も少し違って見えるのです。

bear.jpg冬入り前の季節ですが、今年はクマ出没のニュースがたくさん聞かれました。4月から9月までの長野県におけるクマの目撃件数は、1961件と昨年の2倍近くまで増えています。松本市では、住宅地でクマが捕獲されたこともありました。今年はナラの実や山のドングリが不作のために、冬眠のための食いだめが十分にできずに里へ下りてきてしまうのです。民家に出没してしまえば危険があるため射殺されてしまうこともあります。クマと人間が共存できる里山になればと思いますけれど、自然との共生は難しいが大切だと感じさせてくれるニュースです。

euphorbia_b.jpgいよいよ12月も近づき、年賀状など年越しの準備にとりかかっている方もいらっしゃるのではないかと思います。県内の農業も、年末のクリスマス需要を狙った出荷への準備がはじまっています。JAグリーン長野では、ユーフォルビア・フルゲンスという花の出荷について打合せを行いました。この花、今月下旬から出荷が開始されますが、全国でも長野県の北部でしか栽培されていない希少な花で、鮮烈な色彩が特徴です。他にも、信州ではクリスマスや年末年始に向けたいちごなどの農産物の出荷がひかえています、お楽しみに!


top_1117_top_fix_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。先週の金曜日、松本市梓川の梓川地区にて。赤く実った無数のサンフジがあちこちでたわわに実っていました。見渡すかぎりはてしなく続くりんごの木、木、木。青空と無数のりんごの赤の織りなす、すばらしい、夢のなかのような景観でした。


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Meteor-Shower-small.jpgとにかく霜がおりるぐらい寒いことは間違いありませんが、最近は夜空を見ましたか? 時期的に今ごろはしし座流星群が活発化している季節です。しし座流星群の活動のピークは11月18日の午前6時ごろとされています。月齢は12日でほぼ満月ですが、午前3時頃にはその月も沈むため、それから数時間は観測条件は良好です。寒さ対策をしっかりとして、お腹の中も暖めて、凍てつきそうな夜空を眺め流星を見つけてください。観測史上最大の流星雨の記録を持ち、日本でも、2001年、一時間当たり2000個に及ぶ流星を出現させた“しし座流星群”。1966年にはアメリカで一秒当たり40個。1799年には、ヨーロッパや南米で、一時間当たり100万個(!)の星を降らせたという突発性流星群にすくなからず期待しましょう。図は1833年のしし座流星群の様子を描いたもの。

issa.jpg19日は信濃の国が生んだ俳人小林一茶が没した日。一茶忌。水内郡柏原村(現在の信濃町)生まれで、柏原の国道18号線沿いに「国史跡小林一茶旧宅」が復元されてあります。墓の近くに一茶のふるさと・一茶記念館が建てられています。農家の長男として生まれた一茶は65歳だった1827年のこの日に故郷でなくなりました。生涯に約2万の俳句を残しています。今の季節の句としては

  ひいき目に見てさへ寒きそぶりかな
  雪散るやおどけもいへぬ信濃(しなの)空(ぞら)
  ともかくも あなたまかせの年の暮

などがあります。毎年一茶の命日の19日には、一茶を偲んで、法要・俳句大会・そば会などが催されています。

internet.jpg21日はわたしたちが日々お世話になっているインターネットの記念日。60年代の末ににインターネットの元型と言われるARPAネットの公開実験が、カルフォルニア大学ロサンゼルス校・スタンフォード研究所・カルフォルニア大学サンタバーバラ校・ユタ大学の4か所を結んで行われた日であることから、それを記念してインターネットの日とされています。

22日は満月。この日は二十四節気のひとつ「小雪(しょうせつ)」。江戸時代の暦の解説書である暦便覧には「冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへ也」とあります。そしてまた22日は「長野県りんごの日」でもあります。世界には7500種類ものりんごがあり、長野県産のりんごもそれなりに種類が豊富であることはみなさんもすでにご存じのことと思いますが、やはりりんごの季節の最後にひかえている「ふじ」を忘れることはできません。このふじの味が、寒さの到来でより良くなり、出荷も最盛期を迎える時期に「11(いい)22(ふじ)」と「いい(11)ふうふ(22)」(いい夫婦→アダムとイブ→りんご)の語呂を合わせ連想から、11月の22日は「長野県りんごの日」。i_love_shinshu_logo.jpg“いい夫婦の日には、大切なあの人へ、「ありがとう」と「りんご」を贈ろう”照れくさい時は、りんごをひとつ、大切なあの人の隣へさりげなく置いてみては? という具合に長野県のりんごをPRする日です。県内のほとんどのJAではこの「りんごの日」に合わせて、りんごに関連したたくさんのイベントが開催されることになっています。どうぞこの季節、甘みと酸味のちょうどいいシャリシャリ食感のりんご「ふじ」をご賞味ください。

23日は勤労感謝の日。昔は新嘗祭(にいなめさい)と呼ばれた日です。日本の建国以来続く、天と地の神々に1年の恵みを感謝する祭事が行われる日。南信州の下條村ではこの日文化の祭典が開かれ、江戸の天保の頃から300年以上の歴史があって、村の無形民俗文化財に指定されている下條歌舞伎の定期公演がおこなわれます。定期公演は例年、中学生によるものと、村の歌舞伎保存会によるものの2本立て。歌舞伎のもうひとつの流れを体験できます。ebisukofireworks.jpg23日はまた長野市で「第105回 長野えびす講 煙火大会」が開催されます。全国でも珍しい11月の花火大会です! 花火評論家の間では「一度はこの花火大会を見ておかないと」といわしめるほどのイベントです。晩秋の信州の澄んだ夜空に上がる花火を鑑賞しに、暖かな衣服を着込み、温かい飲み物を持参して、ぜひおいでください。この長野えびす講 煙火大会が終わると長野県は一気に冬支度です。

matusirojo.jpg来週の火曜日23日と水曜日の24日の両日には長野市松代町の松代城(図版は松代城の鳥瞰図部分)二の丸広場で、長野、新潟、山梨各県を代表する料理などが味わえる甲信越「食の合戦 in ながの」が開かれます。戦国武将の武田信玄と上杉謙信の戦いになぞらえた企画で、松代城築450周年にあわせたイベントです。 先着2000食分のカニ汁、豚汁、きのこ汁、たら汁が無料で振る舞われるほか、「粉もの対決」では、信州そばと山梨のほうとうが、「お酒対決」では長野と新潟の地酒や甲州ワインが試飲できるそうです。その昔、新潟と山梨の両雄がぶつかった長野の地で、めくるめく甲信越の味の対決を体験してみてください。


indexarrow.gif 長野県の秋の気象の特徴
indexarrow.gif 長野県の冬の気象の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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