信州は雨。警報が出されるほどの雨降り。ほぼ毎日のように続いている雨ですが、ここへきて「今週末には梅雨明けしそう」などというニュースを耳にするようになりました。梅雨が終わる直前になると梅雨前線が活発化して大雨を降らせることがあります。たっぷりと水を含んだ大地。いよいよ天の盥(たらい)の水も底が見えてきたのでしょうか。梅雨明けも間近まで来ているようです。
JA中野市ではプラムの出荷がはじまりました。スモモもモモもモモのうちという早口言葉に出てくる李(すもも)です。でもスモモは桃の仲間ではありません。スモモはバラ科サクラ属スモモ亜属スモモ類に分類されています。スモモはその昔は薬でした。食べ過ぎなければ体によい果実です。もともと日本列島にあったスモモが明治時代にアメリカに渡り、品種改良されて「プラム」として帰ってきたものが現在の主流です。JA中野市産のプラム、今年は一時はひょう害の被害が心配されましたが、全体的に出来の良い実ができたと言うことですから、ぜひ旬のうちに味わってください。
またびっくりする話題もありました。伊那市にあるJA上伊那の人気直売所「ファーマーズあじ〜な」に、ななななななんと、今年初のマツタケが入荷されたというのです。同店のブログにも「初夏の風物詩!ビックリ(^O^)/」という記事があがっています。すごいですね。こんな時期にもマツタケは収穫されるのですね〜! 昨年はキノコが不作だったので、今年は豊作を期待したいものです。
「花の地産地消」が進められています。松本市の生花店「メゾンフルーリ ド プロバンス」が、地元の農家を応援する目的で、地元JAのJA松本ハイランド産の花を産地表示して販売しはじめました。いまや農産物の地産地消は一般的ですが、「花の地産地消」はまだそれほど浸透していません。東京都世田谷区にある本店でも5年ほど前から、花の産地表示をはじめているそうです。今後色々な分野で「生産者の顔」が見えてくる日も近いかもしれません。
蕎麦好きのあなたは、寒ざらしそばをご存知ですか? 秋に採れた蕎麦の実を厳寒期に冷たい清流に浸し、一ヶ月間、天日と寒風にさらしながらゆっくり乾燥させた「たいへんに特別な蕎麦」のことです。江戸時代には夏の土用のために徳川将軍にも献上されていました。長野県茅野市では「第4回 信州・蓼科高原 献上寒晒しそば祭り」が7月10日(土)〜8月1日(日)まで行われていますので、興味ある方はぜひ味わってみてください。
週末、軽井沢駅の南口に広がるショッピングモールは人・人・人で埋め尽くされていました。駐車場も県外ナンバーの車であふれています。これだけたくさんの人が信州にいらしてくださると思うと、気がめいるような人ごみもそれほど不快に感じません。その軽井沢のショッピングモールで先日、千曲市にあるあんずの主力産地、JAちくまが「あんずの大試食宣伝会」を行いました。あんずは甘酸っぱくて、すっきりとした信州の夏の味がします。会場でPRしたのは生食用アンズ「ハーコット」です。はじめて生のあんずを口にした人も多かったようでしたが、果実はすべて売り切れ。今、千曲市などでは一年中あんずの香りを楽しめるよう、あんずのシロップ漬け作り教室も盛んに行われています。
梅雨明けの声が聞こえて、いよいよ夏休みが近づきました! 子どもたちと、心が若いすべての人たちにとって、今年の夏休みが充実したものになることを願います。自然に包まれてご家族との思い出を作る絶好の機会。子どもの頃に家族総出で出かけた海、山、川――夏休みになると“田舎”で過ごした思い出を懐かしく思い出される方も多いと思います。子どもにとって自然豊かな場所で思いっきり遊んだ夏の楽しい記憶は、長く鮮明に残るものです。ぜひマウンテンカントリー信州の涼しい気候とおいしい農産物を味わいに、ご家族やご夫婦、グループでお出かけください。
そうそう、夏休みといえば、昨年も「天ぷらまんじゅうは信州のお盆に欠かせない」という記事で紹介しましたが、信州のお盆の時期に登場してくるアノ名物「天ぷらまんじゅう」を、いち早くスーパーで発見してしまいました! 実は静かな話題と勝手にきめている信州名物「天ぷらまんじゅう」について、「ここのはおいしい!」とか「作ってみたよ!」など、どんな情報でも結構ですので、これをお読みのてんぷらまんじゅうにこだわりのあるあなた、ぜひ編集部まで情報をお寄せください♪ 今年もお盆にご紹介する予定です。
季節柄、ビールがひときわおいしく感じてしまいますね。さて、ビアガーデンもにぎわいを見せるころになって、職場や仲間内でお酒を飲む機会が多くなる時期です。しかし「お酒はおいしくほどほどに」。これを合言葉に、飲みすぎやましてや飲酒運転など決してしないよう、十分に気をつけましょう。信州で、螢狩りの次に夏の夜を楽しむイベントといえば花火です! 今期の信州の花火大会情報も充実してきております。信州の澄んだ夜空に浮かぶ花火をイメージしつつ、夏休みの計画にお役立てください。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。ぱらぱらと降っていた雨が一時止んだので外に出てみると、ブルーベリーの葉っぱに乗っかったまま、じっとして動かないカミキリムシを見つけました。レンズを向けても一向に動こうとしないその様子は「これから何処に行こう?」と考えているように見えました。
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●去年は今日14日が、関東甲信越地方で平年より6日も早く、本州では一番早い梅雨明けでした。今日はまたパリ祭。7月14日はもともとフランスの革命記念日ですが、日本ではその日を『パリ祭』と呼んでいます。1933年、ルネ・クレール監督の「ル・カトルズ・ジュイエ/7月14日」という原題の映画が日本で封切られることになった時、「7月14日」ではわかりにくいと輸入元の東宝東和映画が「巴里祭」と名づけたことがはじまりです。以後わが国ではフランスの革命記念日をパリ祭と呼び続けています。明治4年、1871年のこの日、廃藩置県が実施されました。信濃の国は、松代、飯山、須坂、上田、小諸、岩村田、松本、高島、高遠、飯田の各藩が県となり、それぞれの藩主は東京に移住させられました。ひとつの長野県になる前には10の県に別れていたのです。
15日は盂蘭盆会(うらぼんえ)の日。信州のお盆は基本的にひと月遅れで来月におこなわれるのが普通ですが、東京などでははやばやと祖先の霊を供養しそして、翌16日、には送り火を焚いて祖先の霊を送り出します。都会の人たちはひとつき速くお盆をすることで夏休みに供えるのです。1年の半分を過ぎて、半年生き延びたことを祝い、目上の人、お世話になった人等に贈り物をするいわゆる「お中元」の時でもあります。
このころから8月にかけて、京都の祇園祭を代表に、日本の各地の神社で祇園祭が行われます。「ぎおんまつり」は、平安時代にその源がある「午頭天皇・スサノオ」信仰が元にあるといわれますが、疫病退散や厄除けを祈願して行われる夏祭りです。信州も各地でお祭りが行われます。17日の土曜日は宮田(みやだ)村(上伊那郡)で祇園祭宵祭りがひらかれます。宮田村は歴史の古い村で、平安時代に大和朝廷が日本列島に敷設した東山道という大道の駅のひとつがあり、馬が配備されていたとされています。ここの夏祭りは夜半まで続く「あばれ神輿」と呼ばれる神輿が特徴で、祭りが最大に盛りあがるのは、津島神社境内の石段から幾度となく御輿を下に投げ落として破壊しつくすところです。ばらばらになった神輿の破片を屋根に上げると無病息災等の厄除けや商売繁盛などのご利益があるといわれています。
「信州の鎌倉」と呼ばれる別所温泉に伝わるめずらしい雨乞いのお祭り、「岳の幟」も18日におこなわれます。「たけののぼり」と読み、室町時代の干ばつの時に、村人が夫神岳の山の神に雨乞いをしたら雨が降ったので、各家で織った布を奉納するようになったのがはじまりで、以来500年以上も続いています。今年は「雨乞い祭り、岳の幟を伝承する岳の会」のホームページも立ちあがりました。数十本の色とりどりの反物と竹竿でできた長さ6メートルほどの幟(のぼり)をかつぎ、夫婦岳山頂から別所神社まで温泉街を練り歩きます。別所温泉にあるJA信州うえだ別所店では、観光客らに伝統の祭りを知ってもおうと「岳の幟」の様子を模した人形と幟を店舗前に飾っています。18日は上弦の月。月もこれからはどんどん大きくなります。
19日は海の日で、休日。海のない信州も休日です。このころまでに梅雨があけているといいですね。19日は今年がはじまってちょうど200日目になります。あと165日しかありません。だからといってどういうわけでもありませんが、ひょっとして今年はまだ一度も信州に来たことがないという人は、ぜひ涼を求める小旅行の計画などお立てください。
翌日の20日は夏土用入(なつのどようのいり)の日です。この日から3日間は「土用太郎、土用次郎、土用三郎」と名づけられていて、この3日間の天気のありさまがその後の陽気に大きな影響を及ぼし、農作業へ影響を与えるものと、昔の農業者は知っていました。8月7日の立秋の直前までが「土用」になります。この間、日本列島には南東からの季節風が吹き、下界は35度を超す真夏日も珍しくなくなります。信州の高原は、涼しいですよ。信州には「夏の木の下寒中コタツ」という言い伝えがあり、うっそうとした木立の下にむしろなど敷いて、そこで昔は昼寝をしました。昼寝は、最高の夏バテ対策のひとつとされています。
長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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