新信州暦 花の季節となって風も薫るころに

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2週間ぶりのごぶさたです。5月になりました。信州の黄金週間は、新緑のさわやかな風が渡り、天気に恵まれました。2日の土曜日には、26度を越えて暑さを感じるほど。編集部のある長野市内でも北は東北から南は九州からと、全国各地のナンバーを見るなど、全国各地から多くの方が長野県に訪れていることを実感させられました。一変して雨曇となった昨日には浅間山の山開きが行われました。

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5月の信州は花の季節。例年より早めに過ぎた桜前線の後は、フラワー王国長野が本格化しています。伊那市小沢のシバザクラ、佐久市のシダレモモ、飯山市の菜の花、飯綱町のミズバショウ、リンゴ、ハナモモなど、広い長野県では花々が咲き誇り、高原や草原にも、アヤメ、カキツバタ、シロツメ草、シャクヤクが競うように咲いています。また、御開帳でにぎわう長野市では、善光寺表参道で「善光寺花回廊 ながの花フェスタ2009」が行なわれ、今年も、観光客やファミリーの皆さんが足を止めて、じっくり見入っていました。

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GWに入って市街がにぎわうようになると、農家はじっとしてはいられません。稲作農家は、次々に作業が忙しくなっていきます。中信地区の松川村から穂高あたりの多くの水田では、水を張り代掻き(しろかき)や田植えをする作業風景が見受けられました。田んぼの中には、おたまじゃくし(カエルの子)も泳いでいて「この季節がやってきたな」と農家は口々に話します。

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今では、田植えも機械で進めますが、平成に入る前までは田植えを家族で行なっている風景もよく見うけました。とにかく田植えは、家族・親戚の一大行事なのです。この時に、祖母と母の力作で楽しみでもあったのが「お田植え料理」(おたうえりょうり)といわれるもの。フキと蛍烏賊の煮もの、ニシンと竹の子の煮もの、大根漬け、鯖の煮つけ、きなこおむすび。中南信では、豆腐や豆豆腐、木曽地方では、ホウ葉飯など、地域によって様々。佐久地方では、田植えの作業の合間に食べるおやつのことを「おこびれ」といい、おむすびやこねつけやきもちを作ったりもします。いづれにしても、田植えという重労働を乗り越える伝統の味であり、季節の田んぼの味そのものです。

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また、麦の穂も青々しくなってきました。まだ収穫まで時間がかかりますが、ここちよい風に麦の穂の海が波のようになびいています。

例年より若干早めに咲いたプラム、モモ、リンゴや梨などの可愛らしい花を前に、現在果樹農家はとりあえず胸をなでおろしています。実は、GW前の27・28日頃、朝の気温がグッと下がり県内では霜が降りました。やはり気の許せない季節です。frost.jpg今後の花がしっかり実へ生長してくれるかその影響が心配されます。この花を、美味しい果実にするのはお天道さまと腕次第。今後様子をみながら、受粉用の花を摘んだりする摘花(てっか)の作業が少しずつはじまってゆきます。

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県内でも高原野菜の産地として名高い浅間山山麓のレタスの出荷が開始されています。農家は、朝3時には収獲作業をはじめ、収穫されたレタスたちは市場へ送られていきます。これから、次々にレタスが定植されて収獲されることになります。野菜の生育にあわせた農家の生活は、冬の風が吹く11月頃まで続きます。また、近くのJAや苗木屋さんでも、野菜の苗たちが並んでいるのを目にします。農家は、主力品種を育てながら有効に時間を使い、トマトやナス、ピーマン、シシトウなどの野菜を植える計画に、とりあえず頭をひねりつつ夢を見ているところです。

*巻頭のカバー写真を入れ替えました。top_090507_small.jpg連休中に訪れた北信州に位置する飯山市瑞穂(みずほ)の「菜の花公園」から眺めた景色です。悠々と流れる千曲川に赤い大関橋、後方に鍋倉山が広がります。今年は、例年より1週間ほど早めに咲きはじめました。黄色がいっぱいに広がる公園は、菜の花の優しい香りに包まれ、訪れた来場者を楽しませています。


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8日の深夜を過ぎて9日の午前3時、穂高神社の本殿遷座祭という儀式が暗闇のなかでおこなわれます。おりしも、いや当然ですが、その夜は満月。5月の満月のことを自然のことをよく見ていた北米先住民などは「花の月(FULL FLOWER MOON)」と呼んでいます。まさしく信州も今月は花のときで、次々と花が開き、風にさまざまな花の匂いがしています。アメリカでは9日は国境を越えて自由に渡る鳥たちの日とされています。日本ではこの日はアイスクリームの日。日本で最初に横浜市で「あいすくりん」を販売されたことを記念する消費拡大イベントです。

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10日は、もちろん「母の日」です。母の日そのものはアメリカにはじまりましたが、イギリスなどでは16世紀頃に「母親と過ごす日曜日」という風習がすでにあり、長男か長女のいずれかが「母親のためのケーキ」を焼いて持ちより、これを家族全員で楽しんだそうです。母親を祝福するのは、女性の力が強かった古代に起源があるといわれています。今の母の日は、1907年にフィラデルフィアに暮らしていたアメリカ人のアンナ・ジャービスという母親思いの女性の発案ではじまりました。彼女の思いつきはたちまち街の人たち、各地の都市の人たち、全米の州に広まり、1914年の5月8日、mothersday.gifアメリカの大統領だったウッドロー・ウィルソンが5月の第2週の日曜日を母の日にすることを決定し、これが数年もしないうちに全世界に広まり、世界中が同じ日に母の日を祝うようになりました。花がさまざまに咲く5月の日曜日に、花と食べ物をもって母親を訪ねて、家族がみなで食事をするというのは、なかなかのイベントではありませんか。

母の日はまた「鳥の日」「愛鳥の日」とされていて、バード・ウィーク(愛鳥週間)のはじまる週です。愛鳥週間に主体的に取り組んでいるのは環境省と日本鳥類保護連盟で、今年は第63回全国野鳥保護のつどいが、日本一の広さを誇る釧路湿原(ラムサール条約登録湿地)で有名な北海道の釧路市で開催されます。birdweek.jpg日本鳥類保護連盟はバードウオッチングに最適の長野県の探鳥地を「軽井沢野鳥の森(JR「軽井沢駅」・しなの鉄道「中軽井沢駅」→西武高原バス草津温泉方面「西区入口」下車→徒歩5分)」としていて、そこではアカゲラ、コゲラ、オオルリ、キビタキ、ノジコ、ミソサザイ、シジュウカラ、ゴジュウカラなどを見ることができます。もちろん信州では全域でたくさんの鳥たちを見ることができますけれど。

12日は今年がはじまって132日目。次号の発行は13日になります。

indexarrow.gif 長野県の春の特徴
   長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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