果物

今おすすめのリンゴはこれ!「あいかの香り」

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長野市街地から望む志賀高原や飯綱山などはもう何度も雪化粧が施され、下界へもいつ雪が舞い落ちるのかと戦々恐々とする今、善光寺平にあるリンゴ畑もすっかり様変わりをしていました。紅葉した葉は晴れ渡る空のもと陽射しで黄金色に輝き、また陽射しをも跳ね返すほどに真っ赤に色づくリンゴは、さながら晩秋から初冬にかけてのわずかの期間だけ楽しめる、信州ならではのリンゴ畑のクリスマスツリーといった様子です。

そんな寒さが深まるにつれて味わいを増すリンゴのなかで、"あいかの香り"もまた、旬まっただなかを迎えていました。

あ・い・か・の・か・お・り。

これがリンゴのネーミングといいますから、ちょっと珍しく、そして、甘いリンゴの香りがほのかに漂ってくるようではありませんか?

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昭和47年生まれの「あいかの香り」
あいかの香りは、リンゴらしい真っ赤な色をツヤツヤと輝かせた、長円形のおよそ400グラム程の大玉で、その味わいといえば、口に入れた途端爽やかな甘さと共に溢れる瑞々しさ。同時期に登場するふじのように酸味を強く感じることなく、まろやかな甘さを楽しめる何とも食べやすいリンゴなのです。
"ふじ"と"つがる"の掛け合わせというリンゴですから、"シナノスイート"と同じであることに気付いた方もいるでしょうか。玉が大ぶりで甘さに特徴があることなど、なんとなくシナノスイートに似ている点も多いのですが、あいかの香りは蜜の入り方も独特で、果肉全体に蜜が拡散されているのも特徴でしょう。

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そんなあいかの香りが誕生したのは、ここ信州。そしてこのリンゴの生みの親となったのが長野市在住の藤牧秀夫さん。それは藤牧さんが昭和47(1972)年、ふじの種を播くことから始まりました。その後生長した苗から数本を選抜して育成し、平成4(1992)年、初めて実を付けることに成功しました。それから10年後には市場にもようやく出回るようになったそうですから、桧舞台に登場し人々の目に触れるようになって、およそ10年ほどになるリンゴです。

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栽培が難しいぶん、「つくり甲斐と喜びを感じています」
畑を訪れると、黄金色の葉っぱの海に埋もれるようにして、リンゴの収穫にいそしむ藤牧さんを見つけました。収穫していたものはもちろん、今が最盛期のあいかの香り。真っ赤に色付いたリンゴでコンテナは瞬く間にいっぱいになります。信州では当たり前に映るこんな光景ですが、「このリンゴは栽培が難しいんです。というのも、あいかの香りは着色しづらいという特徴があるんです」と、見事に色付いた真っ赤なリンゴに囲まれながら、意外とも思えることを藤牧さんは口にしました。
さらに大玉種であるこのリンゴですが、世の中が小ぶりのリンゴを好む傾向にあるなかで、「大きくならないようにつくるのがコツ」とも話す藤牧さん。
数あるリンゴのなかでも、あいかの香りは栽培が難しいと言われています。藤牧農園をはじめリンゴ畑が多く点在することから、その名が「アップルライン」と呼ばれ、リンゴの産地であるこの周辺でも、以前このリンゴ栽培に何人もが取り組んだそうですが、栽培の難しさもあって数年後に栽培を断念した人も多かったのだそうです。
それでも、栽培が難しいという特別さがかえって気に入ってか、「あいかの香りに、つくり甲斐と喜びを感じています」と晴れ晴れとした表情で話す藤牧さん。
一般の人々へのお目見えは10年足らずとまだ日が浅くても、藤牧さんにとっては種から苗木を育て、そして実をつけるまでの30年近くをこのあいかの香りと共に歩んできたわけで、難しいといわれる栽培も長年の試行錯誤を繰り返しコツを掴んだ今では、順調に行われているということでした。

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「今年はとても美味しくできています!」
気になる今年の出来を藤牧さんに伺ってみると、「今年はとてもよく、美味しくできています」と自信に満ちた笑顔を向けてくれました。
サンふじの酸味がちょっと苦手に感じるという方にはぜひともお薦めの、マイルドな甘さを楽しめるあいかの香り。同じ品種であっても味にバラツキが多いリンゴもあるなか、栽培の難しさも手伝って栽培する人が厳選しているため、あいかの香りの場合は当たり外れがほとんどないのだそうで、そういったところも、安心してこのリンゴを選ぶことができるポイントと言えるのではないでしょうか。

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ユニークな名前の裏には様々な物語が......
ところで、このちょっと変わったネーミングの由来も気になりませんか? リンゴといえば、ふじ、つがる、紅玉、秋映などと短い名前が連なるなか、名付けた名前に一抹の不安もあったそうですが、じつはこのリンゴ、愛娘さんのお名前をとって名付けられたものだそうで、蓋を開けてみれば当初の不安を裏切って、今では北海道から沖縄まで全国各地から「あいかの香りを欲しい」と注文が寄せられ、味を知ってしまった人は「毎年この時期が待ち遠しい」と、ファンも多いリンゴです。さらにリンゴと同じ名前をもつ人や、このリンゴを知って誕生した我が子に同じ名前を付けた人など、これまでに数々のエピソードが生まれているのだそうです。そしてまたまた藤牧さんは、もうひとりの愛娘である次女の名前から命名した「ひろの香り」というリンゴも誕生させているそうです。

藤牧さんは、「このリンゴを気に入ってくれる人のため」と、あいかの香りファンのためにとっておきのリンゴづくりを楽しんでいます。

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そんなあいかの香りが世に誕生する始まりとなった原木は、今でも藤牧農園で静かに、そして枝木を上下左右に大きくたなびかせ、貫禄ある風貌でそこにありました。

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サンふじよりも若干早く収穫が行われるあいかの香りは、11月頭から収穫がスタートし、藤牧さんは11月いっぱいまでその収穫作業に追われることになるそうです。

◇藤牧農園
 〒381−0011 長野市大字村山147
 電話:026−296−9180
 藤牧農園ホームページ

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